メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

西日本豪雨被災ラーメン店、移動販売で復活 イノシシスープ、決意の「タイガー」 愛媛・西予

笑顔でラーメンを提供する千葉達也さん=愛媛県西予市野村町地区で、遠藤龍撮影

[PR]

 「復興の思いをラーメンに乗せて多くの人に届けたい」。2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受け廃業した愛媛県西予市野村町地区のラーメン店がこの春、車で食事を移動販売するフードトラックで営業を再開した。店名は「タイガーラーメン」。「虎は千里往って千里還る」ということわざから、県内どこにでも駆け巡るという決意を込めた。

 「注文どうしますか」。12日正午、同地区の市野村支所裏。千葉達也さん(45)の威勢のいい声が響いた。

 メニューは「味噌(みそ)ラーメン」と「醬油(しょうゆ)ラーメン」(いずれも650円)、「野菜ラーメン」(750円)の3種類。イノシシの骨から取ったスープが特徴で、濃厚な香りが辺りに漂い、トラックの前には長い行列ができた。

 「楽しみにしてたよ」「千葉さんのラーメンがやっぱりおいしい」。なじみ客から声がかかる。初日は用意した40人分が約1時間で完売。「本当に感謝しかない。夢も実現した。これから少しずつでも恩返ししていきたい」。千葉さんは汗をぬぐいながら笑顔になった。

 松山市の洋食店でオーナーシェフを務めるなど約25年にわたって飲食業界で働いてきた。「洋食とは違うジャンルの店を開いてみたい」。思いが強くなり、17年に西予市が募集していた地域おこし協力隊で同地区に移り住んだ。

 そこで出合った食材がイノシシだった。農作物被害が問題となっていたことや、市内に獣肉処理加工施設があったことなどから、イノシシ肉を使った料理や商品に取り組み、「ジビエラーメン」を開発。移住後の17年5月、野村町地区の「乙亥(おとい)会館」に、ラーメン店を開いた。

 評判はよく、県外客も訪れる人気店となった直後、西日本豪雨が発生。肱川の氾濫で地区一帯は甚大な被害を受け、店も浸水により冷蔵庫やコンロ、テーブルなどすべてがヘドロにまみれ、廃業を余儀なくされた。

 土砂撤去に取り組む中、近隣の住民から「またラーメンやるんやったら食べに行くよ」と声をかけられた。「災害に強い店を作りたい。被災地でも温かい一杯を届けたい」。どんな状況でも営業できる、キッチンを備えたフードトラック作りからスタート。併せてラーメンも新しくし、スープはそのままに、南予地方のソウルフード、ちゃんぽんから着想して、同市産の新鮮な野菜をふんだんに入れた一品を主力商品とした。

 「自分1人では微々たるものかもしれないが、西予市の食材を使い続けることがきっと復興につながる。たくさんの人に地域の魅力が伝わってほしい」

 問い合わせはインスタグラム(@tiger.ramen)から。【遠藤龍】

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 一律の現金給付断念 自民が提言案まとめ 「所得減で生活支障の世帯・個人」対象

  2. ORICON NEWS 優香、志村けんさん追悼 コント番組で長年共演「とてもとても悲しいです」[コメント全文]

  3. 日本人133人がペルー出国 菅氏、チャーター利用認めた台湾に「深い謝意」

  4. ファクトチェック 「死者数もっと多い」は本当か 死因不明の遺体「コロナだったら…」葬儀業界困惑

  5. たばこを吸っていると新型コロナで重症化しやすいのは本当か 専門家が警告する

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです