メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

橋爪大三郎・評 『イスラーム学』=中田考・著

 (作品社・5940円)

 イスラーム学者でムスリムの中田考氏の論文集。新旧二五編の論文が、イスラームの本質を多面的に描き出している。

 中田氏がまず強調するのは、西側の知識の歪(ゆが)みだ。オリエントとはかつて、イスラーム世界のことだった。そこにインドや中国、日本も加えて「東洋」とひとくくりにした。多様な世界に「非西欧」のレッテルを貼った。この歪みを告発したのがサイード『オリエンタリズム』。だがイスラームの地域研究者はイスラームという宗教に正面から向き合うのを避けたままだ。それで歪みを正せるのか、と厳しく著者は問いかける。

 本書を通じて中田氏は、十字軍の時代の大法学者イブン・タイミーヤに光を当てる。独自の言語論に基づき、当時の法学や神学がイスラームの原則から逸脱していると批判した。その業績は傍流にとどまったが、イスラーム世界を現代に復興するヒントに満ちているという。

この記事は有料記事です。

残り1090文字(全文1477文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 大阪で新たに151人コロナ感染 重症者は70人で過去最多

  2. クックパッドニュース 一房買っても安心!覚えておくと便利な「バナナの保存法」

  3. 首相あいさつ93%一致 広島と長崎、過去例とも類似 被爆者「ばかにしている」

  4. 渡辺が初の名人位奪取 4勝2敗で豊島降す 現役最多の3冠に

  5. 「パンパン」から考える占領下の性暴力と差別 戦後75年、今も変わらぬ社会

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです