メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「高齢者」の仲間入り 66歳・阿川佐和子さんの“老人初心者の心得”

「老人初心者の心得」についてインタビューに答える阿川佐和子さん=東京都千代田区で2020年2月25日、宮本明登撮影

 2025年、65歳以上の人口は国民の3分の1に達する。体力の低下、介護、人間関係の変化とどう向き合ったらいいのか。認知症の母の介護を続け、最近、「高齢者」の仲間入りをした阿川佐和子さん(66)に、「老人初心者」の心得を聞いた。

 ――まずは、「高齢者」と呼ばれるようになった感想を。

 ◆自覚がないからびっくりです。昨夏の台風で「高齢者の方は早めの避難を」と言われた時に「あれ、私のこと?」と。うすうす気づいていたのですが……。それにしても国が年齢の違いで高齢者を「前期」(65~74歳)と「後期」(75歳以上)に勝手に分類するのはいかがなものか。前期は「そろそろ終活を」、後期は「まもなくお迎えが来ますよ」って聞こえるんですけど。

 ――行動は変わりましたか?

 ◆変わりません。でも、トンカツを食べなくなったなあ。若い頃は定期的に食べましたが、今じゃ数年に1度。酒量も減りました。40代までは年に数回、翌日反省する日がありましたが。血管が細く、60過ぎの時に「78歳の血管だ」と言われたこともあり、最近は泥酔するほど飲まなくなりましたね。

 ――社会保障費が増え、介護人材不足が叫ばれるなどお年寄りを取り巻く空気は決して優しくありません。

 ◆「長生きはめでたい」と言いながら、入院したら3カ月で退院を促されたり、家で死ぬのがいいと言われたり……。本当は病院だと医療費がかかるから家に帰ってくれという話でしょう。経済産業省は消費を促していたくせに、金融庁は人生100年時代は公的年金では足りないから、老後資金に「2000万円」が必要と言い出した。どっちなのと聞きたい。人の気持ちが考慮されず、数字のつじつま合わせばかり考えるからそうなる。この国の矛盾には腹の立つことばかりです。

 ――重力に従い、筋肉が落ちたりしわが増えたりと。どう受容したらいいですか?

 ◆過去に執着しないことですね。「前はきれいだったのに」という気持ちがあるでしょう? でもね、もうその時期は終わりました。

 24時間どう過ごすかと考えると、幸い仕事がたくさんある…

この記事は有料記事です。

残り3461文字(全文4324文字)

上東麻子

1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、毎日小学生新聞、東京本社くらし医療部などをへて2020年から統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、差別、性暴力、「境界」に関心がある。日本新聞協会賞を受賞したキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班。共著に「強制不妊」(毎日新聞出版)。散歩とヨガ、ものづくりが好き。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 大阪都構想 反対が賛成上回る 9月上旬の前回調査から賛否逆転 世論調査

  2. 「優しく温厚。成人式で会えると…」 大阪・巻き添え死 女子学生の友人が涙

  3. 「嵐フェス2020」収録中の花火で神宮球場の試合中断 ジャニーズおわび

  4. #排除する政治~学術会議問題を考える 学術会議への関心は「新政権のツッコミどころだから」 投稿炎上、西田亮介氏の真意は

  5. 大阪・梅田HEP FIVEで高校生転落し死亡 路上の19歳巻き添え意識不明

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです