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「緊急事態」は国民の権利の危機
東京・吉祥寺郊外の緑豊かなキャンパスに、春の風が吹いていた。だが、白いマスク姿で現れた成蹊大名誉教授(政治哲学)加藤節さん(75)の表情は晴れない。同大出身の“教え子”安倍晋三首相が、新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、全国の小中高校に一斉休校を求めた対応に、警戒感をあらわにする。「この措置が改憲に向けた『実験』の可能性もある。緊急事態を宣言したら国民はどう動くのかを確かめるためのね」
その疑念を裏付けるかのように、新型コロナ対策と改憲論を結び付けた自民党重鎮の発言が続いた。伊吹文明元衆院議長は「緊急事態の一つの例。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいい」と語り、物議を醸した。
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