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SUNDAY LIBRARY

村松 友視・評『三つの石で地球がわかる』『時代劇入門』

◆『三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち』藤岡換太郎・著(講談社ブルーバックス/税別920円)

◆『時代劇入門』春日太一・著(角川新書/税別900円)

 宮大工棟梁(とうりょう)の西岡常一(つねかず)さんの晩年、修復中の仕事場である法隆寺に、ある仕事でおたずねしたことがあった。仕事の話のあとの雑談で、私は西岡さんに“先(せん)の戦争”と言えば“応仁の乱”……という京都人をあらわす典型的な言葉を向けてみた。古都として京都より先輩である奈良出身の西岡さんにちょっと京都の悪口を……といたずら心を向けた私の魂胆を牽制(けんせい)するように、「いやいや、古けりゃええちゅうもんやないんですよ」、そう言って足もとの小石をつまみ上げて宙にかざし、「これ、何億年ですからね……」と西岡さんは感慨深げにながめていた。私は感銘とともにその深遠な言葉を胸に灼(や)きつけたものだった。あれは路傍の石と宇宙を一瞬にしてつなげてみせるセリフだった。

 藤岡換太郎『三つの石で地球がわかる』は、幼い頃から石に興味をもった石オタクが石屋(いしや)と呼ばれる岩石学者となったという著者の、「石の惑星」でもある地球の本質への、ていねいで精密な入門書だ。

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