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大岡信と戦後日本

/23 三島事件と革命幻想 「党派によらぬ論理」求め

割腹自殺直前、自衛隊員らを前に演説する三島由紀夫=東京・陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で1970年11月25日、草刈郁夫撮影

 <不遜にも男たちは死にあくがれる//少年は 唇を/大人は 腰を/おのがじし涼しげにひきしぼり/百千鳥(ももちどり)そらのももだちとるあした/残照を浴び蜥蜴(とかげ)たちが/紅葉の裏のむらさきをよぎるゆふぐれ/果実の毳(けば)にたまる露吸ひ/男たちは死にむかつて発(た)つ>

 大岡信の詩「死と微笑」の一節である。1972年に雑誌掲載され、詩集『悲歌と祝祷(しゅくとう)』(76年)に収められた。副題は「市ヶ谷擾乱(じょうらん)拾遺」。半世紀前の70年11月、作家の三島由紀夫が東京・市ケ谷の陸上自衛隊東部方面総監室に入り、割腹自決した事件を主題にしている。

 「三島さんの死に対して批判的なんですが、ただ批判的というだけでなく、もう少し複合的な感情をもって作っていると思います」(『大岡信著作集 第3巻』巻末談話)と述べたように、ある種の哀惜を語りながらも「男たち」の死に「批判的」なのは明らかだ。ただし、批判は単純でない。

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