特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

治療薬「治験開始、速やかに審査」 交通制限「ロックダウンのためではない」 菅官房長官会見詳報

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
記者会見で質問に答える菅義偉官房長官=首相官邸で、川田雅浩撮影
記者会見で質問に答える菅義偉官房長官=首相官邸で、川田雅浩撮影

 新型コロナウイルス感染症などについて、1日午後の菅義偉官房長官の記者会見で質疑があった。菅氏は、治療薬の開発に関して「アビガンを含む四つの薬で有効性を見極めるため、観察研究として患者への投与を既に開始し、アビガンとレムデシビルは治験も開始された。できる限り早くお届けできるよう、治験を後押しし、(承認)申請された際には可及的速やかに審査を行う」と強調した。

 一方、3月26日の政令改正によって感染症法33条に基づく交通の制限が可能になったことについて「病原体で汚染された場所について、消毒で対応できない場合、必要な期間に限って交通の制限や遮断を行うもので、いわゆる都市封鎖(ロックダウン)を行うためのものではない」と説明した。主なやりとりは以下の通り。【秋山信一】

 --政府は夕方の対策本部で入国拒否対象を73カ国・地域に拡大する見通しだが、水際対策強化の方針は。

 ◆水際対策の累次の強化に伴い適切な検疫を実施するよう、引き続き従事する職員や検査機器、待機場所の確保などを行っており、万全を期すことになっています。

 --厚生労働省が通信アプリ大手LINE(ライン)と協力して実施中のアンケートを装い、クレジットカード番号を尋ねる詐欺事案情報がある。マスクの品薄に便乗した詐欺まがいの商法も横行しているが、不安につけ込む犯罪への対策は。

 ◆新型コロナウイルスの感染拡大に乗じた不審な電話やメールなどについて、警察などに国民の皆さんから相談が寄せられてきております。こうした状況を踏まえ、警察や消費者庁、国民生活センターなどが連携をして、犯罪に関する情報の入手に努めるとともに、注意喚起や取締の徹底を図っているほか、コンピューター画面上に警告表示ができるようセキュリティーソフト事業者などに詐欺サイトに関する情報を提供するなどといった取り組みも行っています。国民の安全安心確保のために引き続き、こうした取り組みを推進していきたいと思います。

 --学校の再開に関連して、これまでに国内で確認された小中高校生の年代の感染者の人数と、この世代の感染リスクも成人と変わらないという認識なのか、政府の見解をお聞かせください。

 ◆新型コロナウイルス感染症の年齢別陽性者数においては、現時点では10歳未満の感染者が22人、10代の感染者が24人になっております。専門家に諮って28日に決定した基本対処方針では、特に高齢者、基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いと報告されていると承知しています。他方、19日の政府専門家会議の報告では、若年世代は感染による重症化リスクは高くないが、無症状または症状が軽い方が本人が気づかずに感染を広めてしまう事例が多く見られることから、改めて三つの条件が重なった場所に近づくことを避けていただくようお願いしているところであります。

 --安倍晋三首相は3月28日の会見で、4月以降の再開については専門家の判断で当然変わると発言されていた。当初の全国一律の休校については、専門家の意見を踏まえない政治判断だったが、再開にあたって専門家の判断を重視しようとしているのはなぜか。

 ◆2月24日、政府専門家会議において「これから1~2週間が急速に拡大に進むか収束ができるかの瀬戸際となる」と見解が示されています。こうしたことを踏まえて、爆発的な感染拡大を防ぐため、これまで大規模イベントなど自粛や学校の臨時休校を要請してきました。

 その上で、現状で「ぎりぎり持ちこたえている」との認識を大前提に、引き続き警戒を一切緩めることなく、学校再開の準備を進めていただきたいとの方針のもとで、1日開催をされている専門家会議の見解や、日々刻々と変わる感染の状況を踏まえながら、文部科学省において、必要に応じ3月24日に示したガイドラインについてさらに具体的な内容を示す予定であると承知しています。

 --航空会社への影響について。首相が国会で航空業界の支援について言及したが、具体的にはどういった支援を検討していくことになるんでしょうか。

 ◆新型コロナウイルスおよび外国各国の水際対策の強化などにより、本邦の航空会社の国際線の便数は約9割減、そして国内線の便数は約2割減となっており、大きな影響が生じています。こうした状況を踏まえ、すでに空港使用料などの猶予を行っているところでありますけれども、今度の経済対策においても航空会社の資金繰りなどについてさらなる支援を検討しているところです。

 --新型コロナウイルスの治療薬として「アビガン」の臨床試験が始まったが、ウイルスへの有効性や臨床試験の期間などについて現時点でどのような見通しをもっているのか。

 ◆新型コロナウイルス感染症の治療薬については、アビガンを含む四つの薬に新型コロナウイルスに有効性があるかどうかを見極めるために、観察研究として患者への…

この記事は有料記事です。

残り2078文字(全文4078文字)

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集