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新型コロナ 外出規制でDV被害悪化の恐れ フランスでは通報3割増

新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出規制でDVが増えることが懸念されている(写真はイメージです)=Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出自粛や家庭の経済的困窮に伴い、ドメスティックバイオレンス(DV)などの増加が懸念されている。DV被害者の民間シェルターなどで作る全国ネットワークには、「夫が在宅勤務になりストレスがたまって暴力を振るうようになった」「夫と子供が家にいて電話できないらしく、被害者との連絡が途絶えている」といった事例が寄せられている。外国でも状況は同じで、フランスでは外出規制が始まって最初の1週間でDVの通報が3割増え、対策が急務となっている。日本国内の配偶者からの暴力に関する電話相談は全国共通の「DV相談ナビ」(0570・0・55210)へ。【塩田彩、和田浩明/統合デジタル取材センター】

 「これまで長時間労働ですれ違っていた夫がテレワークで自宅にいるようになり、妻に家事一切を押し付け、ことごとく文句を言うようになり、モラハラが起こってきた」「DVで母子で家を出ようと準備していたが、自営業の夫は仕事がなくずっと在宅し、監視したりするようになったので、避難が難しくなり絶望している」

 DV被害者支援に携わるNPO法人「全国女性シェルターネット」によると、全国の自治体の女性相談窓口などには、新型コロナウイルスの感染拡大の影響とみられるそうした相談が寄せられ始めているという。

 さらに、子どもの被害事例も寄せられている。「妻が子を残して避難したが、学校が休みになり子どもたちが父と一緒に過ごすようになって、父に大声で怒鳴られたり、泣いた幼児が夜、戸外に閉め出されたりした」「休校に加え学童保育や子ども食堂も休みになり、子どもが家にいることで、夫から妻、夫から子どもへ暴力が増え、妻も子どもに暴力を振るってしまう」

 女性シェルターネットの北仲千里共同代表は「通常の社会秩序が崩れ、パニックが起こったりストレスが増えたりすると加害行為も増える。普段の生活を支えている個人的な情報網や人脈も切れてしまい、女性だけでなく外国籍の人やセクシュアルマイノリティーなど社会的に弱い立場の人々が孤立しやすくなる」と訴える。

 DV被害相談は主に各自治体の窓口で受け付けているが、女性シェルターネットによると、施設の閉鎖で面接相談を中止する自治体も多いという。また「面談したいが、感染しそうで電車に乗るのも怖い。SNSで相談ができるようにしてほしい」という当事者からの声もある。加害者が家にいることが増えたため、電話での相談の機会が奪われることも懸念されている。実際に「被害者からの連絡が途絶えた」という事例も寄せられているという。

 また、政府による所得減少・低所得者向けの一時金給付は世帯単位とされ、住民票を移さないまま配偶者から逃げている被害者や子どもに経済援助が届かない可能性もある。

 こうした状況を踏まえ、女性シェルターネットは3月30日、安倍晋三首相や橋本聖子・男女共同参画担当相、加藤勝信・厚生労働相宛てに相談窓口の確保などを求める要望書を提出した。要望書では、今後DV被害相談が増加することを想定し▽緊急の場合も相談窓口を閉じないこと▽電話相談回線やシェルター、子どもの保護施設などの増設▽被害者が民間シェルターなどに逃げ込んだ時点で一時保護を開始できるよう制度運営を見直すこと▽一時保護期間の柔軟な延長▽一時給付金をDV被害者へも個別に支給すること――などを求めた。

 要望書にはまた、今後の懸念として▽暴力を受けても感染への不安から通院・治療を差し控える当事者が増える▽行政の相談窓口の閉鎖で事前相談や準備なしに民間シェルターなどに緊急避難する事例が増える▽外国籍の女性やその…

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塩田彩

大阪府出身。2009年入社。前橋支局、生活報道部を経て19年5月より統合デジタル取材センター。障害福祉分野を継続的に取材しています。好物は児童文学。

和田浩明

1991年4月入社。英文毎日編集部、サイバー編集部、外信部、大阪社会部を経て2003年10月から08年3月までワシントン特派員。無差別発砲事件、インド洋大津波、イラク駐留米軍や大統領選挙を取材。09年4月からはカイロに勤務し、11年1月に始まった中東の民主化要求運動「アラブの春」をチュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメンで目撃した。東京での中東、米州担当デスク、2度目のワシントン特派員などを経て2019年5月から統合デジタル取材センター。日本社会と外国人住民やLGBTなどの今後に関心がある。

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