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社説

景況感大幅マイナス 対策が追い付いていない

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 コロナショックで企業の景況感が急激に悪化している。日銀が公表した3月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数が7年ぶりのマイナスとなった。

 指数は景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出する。今回はマイナス8と、アベノミクスや日銀の大規模緩和前の水準となった。

 堅調だった大企業・非製造業の指数も前回の昨年12月調査から12ポイントも悪化した。リーマン・ショック後の2009年3月調査以来の悪化幅だ。中小企業の指数は製造業、非製造業ともマイナスだ。

 今回の短観は中国からの訪日客激減などコロナショックの一部しか反映していないことに留意が必要だ。企業の約7割が3月前半までに回答し、その後の事態の悪化が織り込まれていない。

 3月中旬以降、国内のイベントや外出自粛の拡大で宿泊・飲食業の経営は一段と悪化した。自動車をはじめ製造業は欧米各国の都市封鎖で現地生産・販売の停止を余儀なくされている。

 今夏に予定された東京オリンピックも延期され、企業の景況感は悪化するばかりだ。感染収束が見えない中、約6兆円の手元資金があるトヨタ自動車でさえメガバンクに1兆円の融資枠を要請するほど、先行き懸念が強まっている。

 政府は企業の資金繰り支援や雇用維持を促す助成金の給付を行っている。だが、かつてない需要の落ち込みに、中小企業では廃業するところも出ている。非正規社員の雇い止めが広がるなど、雇用も失われ始めている。

 にもかかわらず、政府の対応はスピードが遅く、きめ細かさを欠いている。

 安倍晋三首相は「リーマン・ショックを上回るかつてない大型経済対策」を策定するという。だが、今は経済活動より感染拡大防止が最優先される局面だ。需要喚起策を詰め込んで対策の規模を膨らませても効果は期待できない。

 欧州では中小企業やその従業員を対象に一定の収入補償を行う国もある。日本も企業や働き手の事業・生活基盤を守る施策が急務だ。政府はこの基盤が壊れれば、コロナ不況からの回復が望めなくなることを認識する必要がある。

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