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中止相次ぐ舞台芸術関係者の悲痛な声 「適切な補塡」を政府に要請

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要請後、記者会見する要請書の呼びかけ人=東京都港区で、濱田元子撮影
要請後、記者会見する要請書の呼びかけ人=東京都港区で、濱田元子撮影

 「演劇公演が中止になりました。2カ月余に及ぶ創作活動が結果的に形に残せなかった喪失感と、実質的な出費のみの負担に理不尽さを禁じ得ません」

 「お客様に素晴らしい体験をして帰っていただく。そんなことをずっと30年以上してきました。それがいま、根こそぎ絶たれようとされています」

 「ウイルスの不条理には負けても、政府の理不尽には絶対負けたくない、と思っております」

舞台芸術関係者が内閣府と文化庁に要請書提出

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大小を問わず演劇公演の中止や延期が相次ぐ。そんな中、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんや中津留章仁さんら舞台芸術関係者10人が呼びかけ人となり3月30日、内閣府と文化庁に対し提出した「適切な補塡(ほてん)を求める要請書」。10日間で集まった1842人の賛同人名簿と共に提出された「実例」からは、悲痛な声が伝わってくる。

 「残念ながら中止になりました」。こんな主催者からの電話を私も何本受けただろうか。「演劇の灯」は消えることはないと信じながらも、無念の思いがにじむ電話口に、受けるこちらもガックリと力が抜けていく。

 ぴあ総研の調べ(3月23日現在)によると、新型コロナによって中止・延期された音楽コンサートや演劇、ミュージカル、スポーツなどは8万1000本。入場料金ベースでは1750億円にのぼるという。

 多くの舞台関係者にとって、公演の中止は生計を直撃する。それだけに提出の2日前、安倍晋三首相の発言には失望感が広がっていた。「文化、芸術、スポーツの灯が消えてしまっては、もう一度それを復活させるのは大変だというのは重々、承知をしております。ただ損失を補塡する形での、税金でそれを補償することはなかなか難しい」

 舞台芸術関係者の要請は3点。中止公演の主催者に対する、すでに支出した経費の補塡▽主催者から支払いを受けられない公演関係者に対する出演…

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