メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

リオ五輪の閉会式では、2020年東京五輪開催がアピールされ、「東京で会いましょう」の文字が映し出された=リオデジャネイロのマラカナン競技場で2016年8月21日、梅村直承撮影

Field of View

マリオ姿の安倍首相 「何から何まで政治的」 東京開催決定から7年④

 驚いたのか、あきれたのか、あり得ないと思ったのか、あの時の感情を素直につづるのは難しい。2016年リオデジャネイロ五輪の閉会式に姿を見せたのは、人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のキャラクター、マリオに扮(ふん)した安倍晋三首相だった。

リオデジャネイロ五輪の引き継ぎ式でマリオに扮して登場した安倍晋三首相=リオデジャネイロのマラカナン競技場で2016年8月21日、和田大典撮影

 08年北京五輪ではサッカー元イングランド代表主将のデービッド・ベッカムさんがロンドン名物の2階建てバスで登場し、12年ロンドン五輪では「神様」と呼ばれたブラジル・サッカー界の英雄ペレさんが華やかなステージで背番号10を披露した。リオ五輪でも日本を代表するアスリートが登場するとばかり思って身構えていたが、勝手な思い込みで、五輪の舞台裏というものを知らなすぎた。

 五輪旗引き継ぎ式演出責任者の佐々木宏氏は後日、「現役選手、過去のレジェンドを探したが、なかなか難しかった」と説明した。安倍首相の起用は大会組織委員会の森喜朗会長の提案だった。

 安倍首相は20年大会の招致演説で、東京電力福島第1原発の状況を「アンダーコントロール」と訴えて国際社会の不安を拭い、新国立競技場の建設費が高騰すると計画を「白紙」に戻した。新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、国際オリンピック委員会(IOC)に「延期」を提案したのも安倍首相だった。

 この間、スポーツ界の存在感は全く感じられない。元プロサッカー選手の経歴を持つ政治学者、ジュールズ・ボイコフ氏の「オリンピック秘史」にはこう記されている。「五輪とは何から何まで政治的なのだ」【田原和宏】=随時掲載

田原和宏

毎日新聞東京本社運動部。1972年、奈良県生まれ。教職などを経て2001年入社。06年からスポーツ取材に関わり、福岡、大阪勤務を経て13年から現職。16年リオデジャネイロ五輪では体操、卓球などを担当。東京五輪取材班キャップ。スポーツクライミングなど新競技にも注目する。職業病なのか、「おかしいやろ」が口癖。