「女・男の気持ち」(2020年3月26日~4月1日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版4月1日掲載の投稿です。
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家の中にも
埼玉県戸田市・野本洋子さん(主婦・76歳)
家にいることはストレスなのか、をテーマにした海原純子さんのコラム「新・心のサプリ」を読んで、我が意を得たりと思った。
私はこれまで、独り身の気軽さから出歩くことが多く、留守がちだった。リズム体操や元気体操、卓球、歌の会、大正琴と手帳には予定がびっしり書き込まれていた。
新型コロナウイルスの影響で、急にすべての活動が中止となり、ほとんど外出をしなくなった。しかし、不思議と家にいることがまったく苦にならないのだ。
さっそく、普段は目をつぶっていた断捨離に取りかかった。1日に2時間くらい、と決めて衣類、アクセサリー、本、書類、靴と次々に処分していく。すこぶる気持ちがいい。
その後はスクワット、ヨガ、海原さんと同じくタオル体操。以前、娘から譲り受けた固定式自転車こぎは、20分で汗をかく。時間をかけてゆっくりお茶を楽しむ。夕食後は本を読んだり、詩やエッセーを書いたりする。介護施設にいて今は面会謝絶の母に、せっせと絵手紙を描いてみる。耳は遠いけれど目はいいので、きっと喜んでくれるだろう。なんだかとても充実して、心が豊かになった気がする。
海原さんがコラムでおっしゃる通り、家の中でしかできない楽しみは、かなりたくさんあると思う。この騒ぎが収まったら、また忙しい日常が戻ってくる。今、このときを大切に過ごすことにしよう。
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<担当記者より>
心療内科医、海原純子さんのコラム「新・心のサプリ」は、毎日新聞の別刷り「日曜くらぶ」に掲載されています。新型コロナウイルス感染拡大への不安が大きくなる中、出歩かず家に閉じこもることをマイナスだと思わずに、楽しもうとする野本さんの投稿に元気をもらいました。自分がうつらない、他人にうつさない努力を、明るく前向きにしていきたいですね。みなさんからのコメントもお待ちしています。コメントはこちらから。