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この国はどこへ コロナ禍に思う 作家・島田雅彦さん 政府批判が自己防衛になる

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インタビューに答える作家の島田雅彦さん=東京都千代田区の法政大学で2020年3月25日、玉城達郎撮影
インタビューに答える作家の島田雅彦さん=東京都千代田区の法政大学で2020年3月25日、玉城達郎撮影

 法政大学市ケ谷キャンパスのボアソナード・タワーからは遠くに富士山が見えた。眼下に広がる街並みは、新型コロナウイルスの感染拡大という“嵐”が吹き荒れているとは思えぬほど平穏そうだ。

 「映画館や劇場などが軒並み営業休止し、他に行くところもなく、老いも若きも公園や河原に散歩に出ています。潜伏期間が長いウイルスは感染者が無意識にまん延させてしまうので、初期の防疫が何よりも重要でしたが、政府の対応が中途半端だったので、事態の深刻さに気づくのが遅れた。それでも普段からマスクをし、手洗いをする習慣があった分だけまん延を遅らせたかも」。同大の教授で作家の島田雅彦さん(59)も変わらぬ日々を過ごしている。「もともと引きこもり傾向が強いので、普段通り家で食べ、書いていますよ」。そんな島田さんの目には、コロナ禍によってむしろ「政府・与党自体がパニックになっている」と映る。

 「彼らの頭には数々の疑惑の追及を回避することと、東京オリンピック・パラリンピックの実施しかなかった。そこに想定外の新型コロナウイルスのまん延という不測の事態が生じ、学校の一斉休校や、外国からの帰国者の自主的な隔離、お肉券配布検討など一見、対策っぽいことをいくつかやりはしたが、実際には野放し状態だった。何かあっても『自分たちのせいではない』という責任逃れの布石を打つことに最も熱心でした」

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