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新型コロナウイルスの病院内での集団感染が各地で発生している。東京都台東区の永寿総合病院では100人を超えるクラスター(感染者集団)が生じ、他の病院にも飛び火した。
大分県や北九州市の病院でも集団感染が起きた。
院内感染が起きると、免疫力や体力が弱っている多くの患者を危険にさらすことになる。医療従事者の間で感染が広がれば、新型コロナ以外の患者も医療を受けられなくなり、地域の医療崩壊にもつながる。
全国で院内感染の防止と、感染が起きた際の迅速な封じ込めに力を入れなければならない。
今週、政府の専門家会議がまとめた分析・提言も、医療従事者、面会者、患者のいずれもが院内感染の発端となる可能性を指摘し、注意を呼びかけた。
医療従事者は多数の患者に接する機会があり、複数の病院で勤務する人もいる。感染を広げないための十分な注意が必要だ。
体調が悪ければ自宅待機するといった基本動作は当然のことだが、改めて気をつけてほしい。
感染リスクの高い「密閉空間・密集場所・密接場面」を避けることも重要で、日本医師会も不特定多数が集まるイベントへの参加や海外渡航の自粛を呼びかける。
もちろん、感染から医療者を守るための体制は不可欠だ。マスクやフェースシールド、ガウンなど、感染防御の装備が不足するようなことがあってはならない。政府や自治体は供給体制を早急に整備してほしい。感染が疑われる場合の積極的な検査も重要だ。
病院内で集団感染が起きた場合にはクラスターに速やかに対処する必要がある。ところが、そうした対策を担う地域の保健所は相談業務なども抱え過重な負担がかかっている。政府の対策班でも専門家が不足している。
政府はクラスター対策の体制強化を早急に図るべきだ。リタイアした保健師らの協力も検討してもらいたい。
病院も地域や専門家と積極的に情報を共有し、感染の収束に努めなくてはならない。永寿総合病院のケースはその点で情報の透明性が低い。都や台東区とも連携し、情報の公開を進めてほしい。
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