「新築マンションに入居し異変に気づいた」原因不明のけん怠感、頭痛、吐き気 化学物質過敏症(前編)
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柔軟剤や合成洗剤などに含まれる微量な化学物質が原因で、頭痛や吐き気などの症状が出る「化学物質過敏症」に悩まされる人が増えている。同じ環境で暮らしていても、なぜ人によって発症したりしなかったりするのか。2回に分けて、原因と対策を探ります。【岩崎歩】
外出時は常にマスクを二重にし、人混みは避けなければならない。埼玉県草加市の矢沢育美さん(59)は長い間、体が不調になる原因が分からずに悩まされてきた。
異変は新築マンション入居から
異変に気づいたのは新築マンションに入居した1993年。激しい頭痛や倦怠(けんたい)感、吐き気が止まらなくなった。30以上の病院で診察を受けたが原因は分からず、2000年には心療内科を勧められた。2年間にわたり抗うつ剤を飲み続けたが、症状はさらに悪化。一時寝たきりになったが、07年に化学物質過敏症の専門外来を受診し、ようやく原因が分かった。
医師からは、マンションの建材から発する化学物質に体が過敏に反応したのがきっかけで、他のあらゆる物質にも反応するようになったと説明された。その後2…
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