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ブラック・チェンバー・ミュージック

/240 阿部和重 写真・相川博昭

「こうなったらふつうはな、派遣会社の担当者に人員交代要請の連絡いれて、そこでおしまいなわけ。だから別に、こんなふうに家に押しかけるつもりなんてさらさらなかったんだけどな、でもなあってふと思ってさ、おまえの人生について考えちゃったんだよおれ――横口、聞いてる?」

 むろん聞いているので横口健二は無言で即うなずく。真摯(しんし)に耳を傾けているふうに見せたいあまりまばたきもせずにじっとして、真剣そのものといったまなざしを社長に向けている彼の表情は、平身低頭どころか今度はすごみを利かせているかのようでさえある。

「おまえもほら、いっぺんやらかしちゃってる口だしさ、今までいろいろあったわけじゃない。いろいろあったすえにうちにきたわけでさ、それってつまりどういうことかっていうと縁なんだよ。そう縁、縁なんだよ縁、わかるだろ?」

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