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社説

香川県のゲーム条例 付き合い方考える機会に

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 インターネットやゲームの利用について家庭にルール作りを求めた香川県の条例が施行された。

 18歳未満は平日のゲーム利用時間を60分まで、中学生以下はスマホの利用自体も午後9時までとする目安を盛り込んだ。

 条例に利用時間を明記して依存症対策に取り組むのは全国初の試みだ。ただ懸念される点も多い。

 まず、行政による家庭生活への介入という問題がある。

 そもそも子どものゲーム利用時間は各家庭にまかせる事柄だ。それを自治体が示す以上、慎重な運用が求められる。

 条例は子どもにルールを順守させるよう保護者に努力義務を課した。これでは行政が対応を家庭に押しつけてしまう恐れがある。

 利用時間を絞ることが依存からの脱却につながるかも疑わしい。

 新しい趣味や生活目標を見つけることが脱却に役立ったという研究成果がある。時間制限よりも、何か打ち込める目標を持つことの方が効果があるとの指摘もある。

 とはいえ、多くの家庭で子どもにどこまでネットやゲームを認めるかは悩みの種だ。

 世界保健機関(WHO)は昨年、利用者がゲームにのめり込みすぎて日常生活に支障をきたす「ゲーム障害」を新たな依存症と認定した。依存防止のための対策が迫られているのも事実だ。

 条例で「事業者の役割」を明文化した点は注目したい。

 オンラインゲームには一般的に、利用者の射幸心をあおる側面があるとされる。

 条例は事業者に対して、子どもの健全な成長が阻害されないよう自主的な規制に努めることや、必要な依存症対策を実施することを求めた。事業者に責任を自覚させることにつながるだろう。

 日本にはゲーム障害を専門とする医療機関が少なく、国際的に取り組みが遅れている。

 条例は、当事者が適切な治療を受けられるよう、県が医療提供体制の整備を講じるように定めた。さらに、相談支援の推進や人材養成なども盛り込んだ。

 こうした分野で行政が果たす役割は大きい。今後、国や他の自治体が取り組む際、参考になるはずだ。条例の施行をゲームとの付き合い方を考える機会にしたい。

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