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新型コロナ禍が報道の自由を切り崩すのか 各国で取材規制、国際団体が警告

米ジャーナリスト保護委員会(CPJ)の新型コロナウイルス関連情報ページ=CPJのウェブサイトから

 新型コロナウイルス禍を報じるジャーナリストたちが当局による規制や圧力を受けているとして、国際的な記者支援団体が警告を発している。フランスに拠点を置く「国境なき記者団」は、関連事例を追跡するプロジェクトを始めた。正確な報道は感染拡大やパニック抑制に不可欠なだけに、パンデミック(世界的大流行)の中での報道の自由の侵害に懸念が強まっている。【和田浩明/統合デジタル取材センター】

 「香港政府は、香港電台(RTHK、地元の公共放送)が自由に、公的なハラスメントを受けないで報道できるようにすべきだ」。米国の国際記者支援団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」は3日の声明で、香港政府で放送事業を管轄する商務及経済発展局(CEDB)を批判した。

 CEDBは2日、香港電台の記者が3月末放送の番組で、世界保健機関(WHO)高官に台湾のWHO加盟の可能性を聞いたことについて、「(台湾を中国の一部とする)『一つの中国原則』に反する」と非難する報道官の声明を出していた。

 台湾はWHO加盟を求めているが、中国は「加盟は主権国家に限られる」として反対している。中国に配慮して新型コロナ関連報道に圧力をかけたとみられる香港当局の姿勢に、CPJは「報道の自由への脅威」と警鐘を鳴らした。

 この香港電台のインタビューを巡っては、WHO側の報道対応も疑問を呼んだ。同社の記者がWHOのブルース・エイルワード事務局長補に台湾加盟の可能性を聞いたのに対し、同氏はしばしの沈黙の後、「聞こえなかった」と回答。「繰り返しましょうか」と追うと「いや次の質問に行こう」とかわした。

 記者がさらに台湾について聞こうとすると、通信ソフトの接続が突然切れた。再接続後、記者が今度は台湾の感染封じ込め対策について聞くと「中国についてはすでに話した。国内の各地方はよくやっている」と述べ、インタビューを締めくくった。この一連のやりとりはツイッター上などで「WHOは中国に制御されている」といった反応を呼んだ。

 一方の中国も、新型コロナ対応への世界の注目が集まるさなかの3月18日、中国駐在の米主要3紙の一部記者から記者証の返還を求めると発表、事実上の国外退去処分にした。

 処分対象は、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、ワシントン・ポストで年内に記者証の期限が切れる米国人記者。中国外務省は「中国メディアへの不…

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和田浩明

1991年4月入社。英文毎日編集部、サイバー編集部、外信部、大阪社会部を経て2003年10月から08年3月までワシントン特派員。無差別発砲事件、インド洋大津波、イラク駐留米軍や大統領選挙を取材。09年4月からはカイロに勤務し、11年1月に始まった中東の民主化要求運動「アラブの春」をチュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメンで目撃した。東京での中東、米州担当デスク、2度目のワシントン特派員などを経て2019年5月から統合デジタル取材センター。日本社会と外国人住民やLGBTなどの今後に関心がある。

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