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社説

「森友」の再調査拒否 コロナは言い訳にならぬ

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 「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんに関わり、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さんの手記が公表されたのを機に、森友問題の再調査を求める声が国民の間に広がり始めている。

 ところが改ざんに至る詳細な経緯が初めて手記で明らかになったにもかかわらず、安倍晋三首相らは「新事実はない」と取り合わない。自民党は追従するばかりだ。

この姿勢は全く理解できない。

 森友問題の原点は、国民の財産である国有地が異例の安値で売却された疑惑だ。本来、与野党を超えて解明するのが行政を監視する国会の責務だ。しかし実際には、なぜ値引きされたのかなど核心部分は不明なまま放置されている。

 先週の国会で、野党は森友問題や「桜を見る会」の疑惑などについて首相の進退を追及した。

 これに対し首相は「今まさに新型コロナウイルス対策を全力でやっている。ここで(政権を)放り投げることは毛頭考えていない」と力説した。全力を挙げるのは当然だが、今は「森友」どころではないというような答弁だった。

 コロナ対策で政府は今、国民にさまざまな要請をしている。そこに不可欠なのは政府への信頼だ。首相の妻昭恵氏の関わりが取りざたされてきた森友問題は、まさに信用に直結する話ではないのか。

 なぜ夫は自殺に追い込まれたのか――。赤木さんの妻が切に求めているのは、その真実である。

 だが人権問題を担当する森雅子法相は、改ざんを上司に強要された赤木さんのケースがパワーハラスメントに当たるかどうかさえ、明確に答えない。

 真摯(しんし)に取り組まない安倍内閣の現状を考えれば、再調査のための第三者委員会は政府だけでなく国会にも設置すべきだ。

 赤木さんが改ざんを指示したと明記した佐川宣寿元国税庁長官を国会で再度、証人喚問する必要がある。土地の大幅値引きに関わったと赤木さんが記した近畿財務局の幹部も国会に招致してはどうか。いずれもコロナ対策と並行して進めるのは可能だ。

 赤木さんの妻がインターネットを通じて呼びかけた再調査を求める署名は瞬く間に30万人規模となった。その重みをかみしめて、まず自民党が考えを改める時だ。

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