甲南大生自殺 ハラスメント委の調査過程、客観性乏しく不透明のまま

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甲南大の男子学生がつづった遺書(コピー)=福岡市で2020年3月、樋口岳大撮影
甲南大の男子学生がつづった遺書(コピー)=福岡市で2020年3月、樋口岳大撮影

 2018年に神戸市の甲南大2年だった男子学生が自殺した問題で、大学側は学内の「キャンパス・ハラスメント防止対応委員会」の調査過程の詳細を明らかにしておらず、遺族は納得していない。甲南大のハラスメント委とはどのような組織なのか。

 大学がホームページで公開している規定によると、副学長▽学生部、学長室事務部、総務部の各部長▽学長が指名する専任教員――で構成。遺族によると、委員長を務めたのは中井伊都子副学長(当時)で、男子学生が直接聴取を受けた委員の教員3人の名前は分かるが、大学側から、他の委員の名前や委員会の開催回数などは知らされていない。

 学生は、同委が設置した調査委の聞き取りに「(部長が他の部に出した入部拒否要請の)撤回文は名誉の回復にはなっていない。部に非があったことを完全に表にし、部が誤っていることを明らかに示してもらいたい」などと話していた。この訴えがどう受け止められたのかを詳しく検証しようにも、ハラスメント委の議事録は学生への聴取録を除き非公開で、他に聴取した学生や教職員の人数、肩書なども不明のままだ。

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