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毎日新聞

大枠合意が決まった連絡協議会の後で埼玉県の上田清司知事(当時)と握手をする東京都の小池百合子知事(中央)=東京都千代田区で2017年5月31日午後1時59分、西本勝撮影

Field of View

猛反発に都知事おわび 経費分担 関係自治体と合意 東京開催決定から7年⑥

 「この問題に時間を要したことに深くおわび申し上げたい」。2017年5月31日午後1時過ぎ、東京都、国、大会組織委員会、競技会場を持つ関係自治体のトップによる連絡協議会の冒頭のことだった。就任以降、強気の姿勢を貫いてきた東京都の小池百合子知事の殊勝な「おわび」に驚いた。この一言で、1年以上先送りされてきた費用分担がようやく大枠で合意された。

 16年9月、会場見直しの「小池劇場」と同じように、都政改革本部の提案が紛糾の引き金となった。都外施設の仮設整備費の負担先について、従来の組織委ではなく、「地元自治体と国が負担」と言い始めたのだ。

 17年5月中旬、都外施設の仮設費は都が負担し、大会経費1兆3850億円(同月末時点)の大枠の負担は都と組織委が各6000億円、国が1500億円でまとまった。しかし、残る350億円の負担を押しつけられた関係自治体の7道県4政令市(当時)は猛反発。「自治体に迷惑をかけない」との契約書を盾にした。

大枠合意が決まった連絡協議会の冒頭であいさつをする東京都の小池百合子知事(左端)。左から2人目は丸川珠代五輪担当相(当時)、右端は組織委の森喜朗会長=東京都千代田区で2017年5月31日午後1時16分、西本勝撮影

 関係者間の調整は、協議会当日の朝まで続いた。自治体の想像以上の抵抗に小池知事も思わず引いた。ある自治体の幹部は「粘り勝ち」とほほ笑んだ。

 17年末、大枠合意の総額から自治体負担分の350億円を削った1兆3500億円が大会経費となった。カネの負担の綱引きは誰もが譲れず、火だねとなるため、その数字はほぼ動かずにここまで来た。東京オリンピックの1年延期で追加経費が発生し、その額は数千億円に上るとみられる。費用分担という災いは再び押し寄せるのか。【小林悠太】

小林悠太

毎日新聞東京本社運動部。1983年、埼玉県生まれ。2006年入社。甲府支局、西部運動課を経て、16年から東京本社運動部。リオデジャネイロ五輪を現地取材した。バドミントン、陸上、バレーボールなどを担当。学生時代、184センチの身長を生かそうとバレーに熱中。幼稚園児の長男、次男とバレーのパスをするのが目下の夢。