メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「どんな賢明な指導者も戦争になれば…

[PR]

 「どんな賢明な指導者も戦争になれば『霧』の中に投げ込まれたように混乱する」。ベトナム戦争時の米国防長官マクナマラはいう。今度の新型感染症との「戦争」でも各国指導者は不確実性の霧の中をさまよう▲「誰かが誰かを非難するなら、私を非難せよ。他に責任のある者はいない」。世界でも、まさにホットスポットとなった米ニューヨーク州。そのクオモ知事が卓越したコミュニケーション力で州民のみならず全米の信頼を集めている▲先の言葉はロックダウン(都市封鎖)に際しての発言だが、トランプ大統領がさらに完全封鎖を口にすると「州に対する宣戦布告だ」とたんかを切り、撤回させた。しかし、その真価は派手なスタンドプレーにあるのではないという▲毎日の記者会見で感染状況や対策を詳細なデータと最新の事実にもとづき解説する。市民への要請は具体的で、人命最優先は揺るがない。危機において情報と理解とを共有して信頼を築く、リスクコミュニケーションのお手本なのだ▲ニューヨークの惨状があすのわが身かもしれぬ首都圏など7都府県を対象に、法にもとづく緊急事態宣言が発令される見通しという。発令する首相、個別の要請や指示などを打ち出す各知事には、ぜひとも求めたい説得力ある説明だ▲感染症がもたらす不確実性の霧は、一つに個々人の行動の予測の難しさに由来しよう。行政のトップには、リスクコミュニケーションから生まれる信頼なしに「霧」は払えないことを肝(きも)に銘(めい)じてほしい。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「優しく温厚。成人式で会えると…」 大阪・巻き添え死 女子学生の友人が涙

  2. 大阪・梅田HEP FIVEで高校生転落し死亡 路上の19歳巻き添え意識不明

  3. 24歳兄が妹・弟を包丁で刺す 犯行後飛び降りか、兄は死亡 東京・東村山

  4. #排除する政治~学術会議問題を考える 行革や効率性で「文句を言う人」飛ばす怖さ 菅政権の新自由主義 重田明大教授

  5. 時代の風 菅政権1カ月 民主主義の本質は議論=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです