#SaveTheCinema コロナで経営難のミニシアター救済を 映画人ら立ち上がる
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新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態の宣言を受け、自治体の休業要請を待たず、臨時休業を決めた小規模映画館(ミニシアター)が相次いでいる。3月下旬以降の外出の自粛要請などで、客足が大幅減少。既に経営難に陥っているミニシアターが多い。そんな状況を救済しようと、映画監督の諏訪敦彦さんや是枝裕和さんらは政府に支援を求める運動「#SaveTheCinema『ミニシアターを救え!』プロジェクト」を始めた。インターネット上で賛同者を募っており、7日午後9時過ぎ時点で2万4500人を超えている。4月中をめどに政府に陳情する方針。
「ゴールデンウイークは、夏休みや年末年始をしのぎ、1年間で最も観客が来るタイミング。これから1カ月の休館は年間の12分の1の売り上げ減ではすまない」。渋谷と吉祥寺でミニシアターを経営する「アップリンク」代表、浅井隆さんはこうため息を漏らす。ただ同時に「逆に言えば、それだけ人が集まる時期だからこそ感染拡大防止という面では効果があるのかもしれない。商売を考えるとつらいが……」と、複雑な気持ちを語った。
浅井さんも賛同者に名を連ねる同運動の主な要望は、緊急的支援として、外出自粛要請などで生じた損失の補塡(ほてん)と、終息後の集客回復のための広報活動やイベントへの支援。呼び掛け人は他に深田晃司さんら映画監督のほか、柄本明さんや井浦新さんら俳優、各地のミニシアターなどが加入する団体「コミュニティシネマセンター」など。
インターネットサイト「Change.org」(http://chng.it/Sk6V6Vhc7g)で公表されている要望書には「3月26日に不要不急の外出自粛が要請されて以降、観客の減少は急激に加速した。事業者らは感染防止の観点から、あくまで自らの責任で活動の休止を決断するよう迫られている」などとし「今の状態が6月まで続けば、夏を待たずに閉館する映画館が続出することが予想される」と訴えている。
同サイトで賛同者を募っているほか、深田監督と濱口竜介監督が発起人となり、クラウドファンディングによる「ミニシアター・エイド基金」を数日内に立ち上げるという。【井上知大】