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不妊治療は「不要不急」なのか 新型コロナで「延期」言及した学会声明の波紋

新型コロナウイルスの感染予防策として、不妊治療クリニックでは待合室で間隔を空けて座るよう促している=東京都港区の浅田レディース品川クリニックで2020年4月3日午後5時55分、五味香織撮影

 不妊治療は「不要不急」なのだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、不妊治療に取り組む医師らでつくる「日本生殖医学会」はこのほど、妊婦への対応の難しさなどを理由にして、現場の医師に対して治療延期の検討を促す声明を出した。だが、不妊治療は40代で取り組む人も多く「時間との戦い」の側面が大きい。治療を受けている人たちからは「延期や中断をせずに継続してほしい」と切実な声が上がっている。【五味香織、上東麻子/統合デジタル取材センター】 

 学会の声明は1日、不妊治療に取り組む医師らに向けて発表された。声明では新型コロナウイルスについて「妊娠初期の胎児に及ぼす影響は明らかになっておらず、母体から胎児への感染の可能性は不明」「妊婦における感染リスクが高いとはいえない」としているが、「妊婦は重症化する可能性が指摘されている」など危機感を表明。急速な拡大の危険性がなくなるか、ワクチンや治療薬が開発されるまでの間を目安として、治療の延期を選択肢として患者に提示するよう推奨している。学会のウェブサイトで公開されたため、患者らが直接目にすることになり波紋が広がった。

 日本生殖医学会の市川智彦理事長に、声明を出した経緯を尋ねた。すると、欧米の主要な生殖医学会が不妊治療の中断を求める勧告を出しているといい、「日本国内でも感染者が急増しており、妊婦の感染リスクが高まったと判断しました」と説明した。妊娠に至ったとしても、妊婦が感染した場合、投薬の面などで治療に制約がある点も大きな理由だという。

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残り2303文字(全文2947文字)

上東麻子

1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、毎日小学生新聞、東京本社くらし医療部などをへて2020年から統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、差別、性暴力、「境界」に関心がある。日本新聞協会賞を受賞したキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班。共著に「強制不妊」(毎日新聞出版)。散歩とヨガ、ものづくりが好き。

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