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余録

昔の寺子屋の絵を見ると…

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 昔の寺子屋の絵を見ると、自由というか、雑然というか、実におおらかなものである。机の置き方もみんなばらばら、まじめに手習いをする子、いたずらや落書きに熱心な子、師匠の後ろで立たされている子……▲今の「学級崩壊」に見えるが、それは黒板を背にした教師と向き合い、整然と並ぶ机で勉強する近代の画一的な「一斉授業」の固定観念のためらしい。寺子屋では個々の子どもに合わせた教育を師匠が考えて行う個別教授が基本だった▲現に某師匠が弟子一人一人の必要に応じて作った62人分の個別学習カリキュラムが残っている。この寺子屋の教育の質の高さが、当時の日本を世界的水準を抜く教育先進国にしていたという(市川寛明(いちかわ・ひろあき)ほか著「図説・江戸の学び」)▲新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で都市部の休校が続き、学習の遅れや、格差拡大への心配が広がっている。ここはかねて準備のオンライン授業で急場をしのぐのかと思ったら、大方の教育現場は何の用意もなく混乱が続く▲今さら何だが、いち早く一斉休校に踏み切った以上、政府は感染拡大による休校長期化の対策も用意していなければおかしい。中韓を含めた諸外国のようなオンライン授業もできないのは、教室での「一斉授業」の固定観念のせいか▲生徒・児童に合わせた個別指導にも活用の可能性が大きいオンラインでの教育である。授業をめぐる固定観念にとらわれているようでは、教育の世界水準についてゆけず、寺子屋の師匠にも笑われよう。

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