メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

記者の目

「ベルリン」から見る日本映画 挑戦できる製作環境を=井上知大(東京学芸部)

海外の若手監督の作品を上映する劇場にも長蛇の列ができるほどにぎわうベルリン国際映画祭=2月22日、井上知大撮影

 2~3月に開かれた第70回ベルリン国際映画祭を取材した。カンヌ、ベネチアと並ぶ世界3大映画祭の一つで、メッセージ性の強い社会派作品が集まることでも知られる。今年も世相を鋭く描いた作品が多く、イランの死刑制度をテーマにした作品が最高賞の金熊賞に選ばれた。まさに「ベルリンらしい」映画祭を体感した私は、こうした作品がなかなか生まれない日本映画の現状に危機感を抱いた。

 若者向け映画を対象とした「ジェネレーション14プラス部門」で日本から出品された「風の電話」(諏訪敦彦監督)が特別表彰を受けた。日本の作品が評価されたことをうれしく思う一方で、メインのコンペティション部門に3年連続でノミネートがなかったのが残念だ。私は昨夏のベネチアと、昨秋の東京国際映画祭を取材したが、取材を重ねるごとに日本映画のプレゼンス(存在感)が世界の中で低下していると実感する。

 2013年にベネチア、18年にベルリンでコンペ部門の審査員を務めた音楽家の坂本龍一さんは「映画は社会を映す鏡と言われるが、日本社会を描いた作品が少ない。この10~20年の間に日本映画のパワーが弱くなった」と指摘する。その理由は何だろうか。私は、日本は社会派作品を受け入れる土壌が乏しいことに加えて、意欲的な作品に挑戦できる環境が極めて貧弱なことが一因だと考える。

この記事は有料記事です。

残り1310文字(全文1868文字)

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 連日200人超は第2波か 保健所「手いっぱいだ」 病院「もう少し先か」

  2. サッシャさんも感染 山本裕典さんらの舞台で共演  出演者ら14人感染確認

  3. 「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」 ツイートが大反響を呼んだ三つの視点

  4. 官僚も憤る電通「中抜き」の構図 源流にあの「官邸官僚」と民主党時代の決定

  5. 「香港は“1国1制度”に。とても悲しい」 民主派・周庭さん

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです