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私の社会保障論 成熟社会、地域で子育て=東レ経営研究所・渥美由喜

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 高校時代、海外のジャパンバッシング(日本たたき)報道を耳にして義憤に駆られた。「第二次大戦後の焼け野原から、世界第2(当時)の経済大国になった日本を、なぜ侮蔑の対象にするんだ!」。大学に進み、日本文化に憧れて留学してきた欧州出身の友人から「家庭責任を果たさず、地域社会で無償のボランティア活動もせず、働くことだけに自分の時間のすべてを使う人は成熟した市民とは言えない。近代以前の日本の方がはるかに豊かな社会だったのではないか」と言われ、目からうろこが落ちた。以来、「市民の三面性=職業人、家庭人、地域人」を座右の銘に、私は週末に子供会のボランティア活動等を四半世紀以上、続けてきた。

 十数年前、子育て大国のフランスで「男性の育児参画」を調査した。視察した保育園・小学校の大半で、お迎えの8割は父親。彼らは、「防犯の観点から父親が送迎する方が合理的」と語っていた。記録してもらった生活時間をみると、帰宅後に子供を置いてパパ友同士で飲みに行く日もあり、必ずしも夫婦で公平に育児を分担していたわけではなかったが、感心したことがある。得意なスポーツや趣味をいかして、放課後に地元の小学生を指…

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