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東京へ ともに歩む

毎日新聞

2020年東京五輪・パラリンピック招致を巡る不正疑惑で、記者会見に臨む日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(当時)。わずか7分間で記者会見を打ち切った=東京都渋谷区で2019年(1月15日、藤井達也撮影

Field of View

招致巡り贈賄疑惑 竹田氏会見わずか7分 東京開催決定から7年⑧

 2019年1月15日、釈明の記者会見はわずか7分間で打ち切られた。東京オリンピック・パラリンピック招致を巡る贈賄疑惑。フランス司法当局の捜査対象となった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長(当時)は淡々とコメントを読み上げると、「捜査中」を理由に質問を受けることなく、足早に会場を立ち去った。

東京開催が決まり、ほっとした表情の竹田恒和氏(左から3人目)ら。当時、竹田氏は招致委員会の理事長を務めていた=ブエノスアイレスで2013年9月7日午後0時17分、梅村直承撮影 

 あの時、違う対応だったらどうだったか。捜査が続く限り、疑惑を完全に晴らすことは難しいが、会計書類など全ての資料を開示していれば、疑惑の連鎖を断ち切ることはできたかもしれない。会見での対応に批判が集まり、竹田氏は退任に追い込まれた。

 ロイター通信は20年3月末、大手広告代理店「電通」元専務の高橋治之氏が招致委員会から820万ドル(約8億9000万円)を受け取り、国際オリンピック委員会(IOC)委員らにロビー活動をしていたと報じた。高橋氏は真っ向から否定しているが、ロイター通信が根拠としたのは招致委が開設した銀行口座の記録だ。招致委の理事長を務めていたのは竹田氏だった。

 招致委は13年にシンガポールの会社にコンサルタント料として計約2億3000万円を支払っており、そのカネが集票工作に使われた疑いを持たれている。JOCの調査報告書によると、コンサル料の支払いは計11人に11億数千万円程度で、平均すれば約1億円。事実ならば、桁違いに大きな金額である。

 暴力やドーピング、ガバナンスの欠如。スポーツで最も大切とされるインテグリティー(高潔性)が揺らぐ時代だからこそ、JOCは自らの責任で再調査すべきではないか。【田原和宏】

田原和宏

毎日新聞東京本社運動部。1972年、奈良県生まれ。教職などを経て2001年入社。06年からスポーツ取材に関わり、福岡、大阪勤務を経て13年から現職。16年リオデジャネイロ五輪では体操、卓球などを担当。東京五輪取材班キャップ。スポーツクライミングなど新競技にも注目する。職業病なのか、「おかしいやろ」が口癖。