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人生は夕方から楽しくなる

ベテラン記者が大人ならではの滋味ある話を求め、旬の人と語り合う大型インタビュー。人生が楽しくなるヒントをお届けします。金曜日更新。

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作家・原田宗典さん どん底経て消えた「平凡は嫌」の呪縛

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「文章の上手さ? 読書量じゃないですか。よく読んでよくまねるということかな」=藤井太郎撮影
「文章の上手さ? 読書量じゃないですか。よく読んでよくまねるということかな」=藤井太郎撮影

 約束の時間に皇居前に現れたその人は、すっと肩の力が抜けていた。初対面だと、はにかんだり、自分を大きく見せたりするものだが、全く構えがない。1990年代初頭、おそらく最も多くの締め切りを抱えた書き手だった。

 97年に書いた自筆年譜が面白い。<66年秋 7歳/両親別居す。妹とともに父に連れられ、新大久保の愛人宅で暮らし始める。我ながら情けないほど見事に順応する><68年秋 9歳/妹と母の元へ返される。またも見事に順応>

 「きょうからこの人をお母さんと呼べと父に言われ、順応したわけです。不幸かどうかはわかりませんが、複雑な家庭のせいで小説家になったと思います。妹(作家の原田マハさん)もそうですよ」

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