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東京へ ともに歩む

毎日新聞

「ピクトグラム」(絵文字)を配した東京五輪の競技観戦チケットデザイン=Tokyo2020提供

Field of View

申し込み殺到でプラチナ化 大会チケット 東京開催決定から7年⑩

 「全然つながらない」。日本中の至る所で不満の声が上がった。2019年5月9日午前10時に始まった東京オリンピックのチケット第1次抽選販売。初日は受け付け開始から7時間で約130万件のアクセスがあり、登録までの待ち時間は最大2時間に及んだ。

五輪チケット申し込みの抽選結果を示す画面

 一方、受付期間中の世論調査では、購入希望者は4分の1程度。「受け付け直後にアクセスが殺到しただけか」と思った。だが、蓋(ふた)を開ければ56年ぶりの祭典への熱は想像以上だった。

 大会組織委員会は申込期間を予定より延長。売れ行きが好調だった12年ロンドン五輪を上回る約750万人が、購入に必要なID登録をした。大会関係者の「桜と一緒。2週間ちょっとでパッと咲いて、パッと終わるのはオリンピックも同じ。日本人の性に合っている」という言葉が、妙にしっくりくる。

 抽選発表の日を迎えると落選の声が圧倒的で、チケットは「プラチナ化」した。組織委によると第1次抽選販売は512万人が申し込み、96万人が当選。約5人に1人は当たった計算だが、購入上限の30枚を申し込んで「全滅」した人も珍しくなく、救済策として追加抽選販売が行われた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、五輪は1年延期となった。これまで販売されたチケット購入者の権利が保持される見込みであるのは救いだ。店頭販売分のチケットもまだ残っている。

 桜も五輪も、今年の「花見」は楽しめる状況になかった。世界が平穏を取り戻し、再び大会への熱気が街中でふくらむことを願わずにはいられない。【倉沢仁志】

倉沢仁志

毎日新聞東京本社運動部。1987年、長野県生まれ。2010年入社。高知、和歌山両支局を経て17年から東京運動部。レスリング、重量挙げなどを担当。高校時代には重量挙げで全国高校総体に出場したが、階級で10キロ以上軽い三宅宏実選手の記録には遠く及ばない。