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余録

禁断の実を食べて神の怒りに触れたアダムは…

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 禁断の実を食べて神の怒りに触れたアダムは「苦しんで地から食物を得る」よう言い渡された。旧約聖書のくだりは「労働は罰」の意味で広がるが、真意は「労働は苦役」という説がある。確かに生活の糧を得るには苦労が絶えない▲例えば、農作物を育てるには土地の開墾から収穫まで汗水流す連続だ。それでも実ったコメを手にすれば「喜び」に変わり、流通すれば人々の生活をうるおす。その労働、つまり仕事が奪われれば、生活に困るだけでなく、喪失感も深い▲新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受けて、東京都が休業を要請する対象業種を発表した。対象をめぐって政府とすったもんだの末の決着だが、振り回された事業者はたまったものではないだろう▲混迷を招いた責任は一義的に政府にある。「緊急事態だ」と言いながら都に休業要請の見送りを打診し、「人と人の接触の8割削減」を訴えておいて、対象を狭めようとした。そのちぐはぐさが国民の不信を招いた▲封じ込めが最優先であっても、休業要請によって雇用が失われるようでは困る。問題はバランスをとろうとするあまり、どちらの政策も中途半端になることだ▲世界では勇気付けられる活動が広がる。首相が感染した英国では医療機関のボランティアに予定の3倍の75万人が応募した。中止が続く米プロスポーツではスタジアム従業員の給与負担を申し出る選手が相次ぐ。苦境にある人に希望の火をともす。それこそが政治の仕事のはずだ。

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