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学童と保育の縮小 もっと不安に向き合いたい

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 緊急事態宣言が発令された7都府県で、学童保育や保育所が受け入れ人数を減らしたり、休止したりするケースが出ている。

 厚生労働省は、仕事を休める保護者に利用を控えてもらい人数を減らすよう自治体に促している。

 休止する場合は、医療従事者や金融機関で働く保護者、ひとり親などの子どもは受け入れるよう求めている。医療崩壊の阻止や社会機能維持のためだ。

 ただ、設置する市区町村によって対応にばらつきが出ている。

 休止して医療従事者や消防職員などの子どもを優先して受け入れる自治体がある一方、職種を限らずに保護者に単に利用の自粛を呼び掛けるだけの自治体もある。保護者の間で戸惑いと不満が広がっている。丁寧な説明が必要だ。

 利用が制限された家庭は、保護者が在宅勤務に切り替えるか、仕事を休むことを余儀なくされる。

 企業はテレワークを広げているが、仕事と子どもの面倒をみることの両立は難しい。業務量の調整が必要だ。それが難しいなら、特別な有給休暇を設けることも求められる。

 政府は3月の一斉休校の際に、親の有給休暇を認めた企業への助成制度を設けた。保育所休園でも活用してほしい。

 子どもは自宅で過ごす時間が長くなる。健康にも気を配りたい。

 休校で「子どもがスマホばかりいじっていて困る」という声がすでに聞かれる。生活のリズムが乱れた子どもが増えているようだ。

 体を動かせるよう校庭開放をしている自治体がある。対応を広げてほしい。保育所に行けない親子が公園で遊ぶ場合は、周囲があたたかく見守ることも必要だろう。

 心のケアも重要だ。4月は入学・入園やクラス替えの時期だ。不安を誰にも相談できずにいる場合も少なくないのではないか。

 学校では、休校中の登校日も必要最小限にせざるをえない。家庭訪問などで子どもを見守る活動は欠かせない。子育て相談の対応窓口を拡充する自治体もある。他でも参考にしてほしい。

 仕事に行けない親と休めない親、自宅にいる子どもたちそれぞれがストレスを抱えている。政府や自治体は、親子の不安に向き合う施策をいっそう進めるべきだ。

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