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白井聡・評 『水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと』=岸本聡子・著

『水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと』

 (集英社新書・902円)

 新型コロナウイルスの大流行のなかで自らも感染し療養中のボリス・ジョンソン英首相は、危機と闘う医療関係者に対する深い感謝を述べつつ、「社会というものは確かに存在する」と語ったという。「社会は存在する」という言明は、マーガレット・サッチャーの言葉「社会なるものは存在しない」を意識したものであり、その真っ向からの否定だ。サッチャーの言葉は、1980年代から進行してきた新自由主義化の象徴であった。

 確かに、「社会」というものは摑(つか)みどころがない。だから、存在するのは個人と市場だけだと考えれば、物事はシンプルになる。個人は個人の欲望を追求し、市場によってその能力が評価されるだけだ、と。人が何をなすべきであり、どれほどの報酬を受けるべきか、疑問の余地なく決まるのであって、それ以外のことを考えるのは余計だ。これが新自由主義の世界観である。

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