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内田麻理香・評 『ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿 科学者たちの生活と仕事』=佐藤満彦・著

『ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿 科学者たちの生活と仕事』

 (講談社学術文庫・1221円)

 歴史をたどれば、古代ギリシャや古代ローマの時代から科学を研究する人々は存在していたが、彼らに科学者という名前が与えられたのは意外と最近のことである。科学哲学者のヒューウェルは、一八三四年に“scientist”という言葉を造った。本書のタイトルにあるガリレオもニュートンも、偉大な科学的業績を残したが、当時は科学者とは呼ばれていなかった。現代は、大学などの研究機関に属していれば、科学者は給与を支払われる。しかし、科学者が職業として成立する前の時代、彼らはどのような研究活動をしていたのだろうか。本書は、一九世紀以前の科学者たちの「勤め先と懐具合」に焦点をあて、人間としての科学者の姿を浮かび上がらせる。

 ルネサンス期から一七世紀にかけての科学者の多くは、パトロンの庇護(ひご)を受けるという形で生活し、研究をしていた。パトロンとなったのは、絶対君主や大商人、教皇たちである。レオナルド・ダ・ヴィンチもパトロンを求め歩いた一人だ。彼がミラノ公国の君主に送った自薦状は、長々と、いかに自分が戦時にも平時にも「役に立つ」かを書き連ねている。五世紀も前のこの自薦状は、現代の日本での科学研究費の申請書に通じるも…

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