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岩間陽子・評 『大英帝国の盛衰 イギリスのインド支配を読み解く』=木村雅昭・著

『大英帝国の盛衰 イギリスのインド支配を読み解く』

 (ミネルヴァ書房・4400円)

 インド支配が大英帝国の要であったことは、多くの人が知っているが、一冊でその歴史とシステムを俯瞰(ふかん)するような本はなかなかない。木村雅昭氏は、すでに長いインド研究のキャリアを持ち、本書は一つの到達点となっている。オープニングは、一八九七年のヴィクトリア女王即位六〇周年記念式典から、きらびやかに始まる。インドを知ることは、大英帝国を知ることであり、大英帝国を語ることは、世界を語ることである。イギリスの植民地経営は、先行組のオランダやポルトガルはもちろん、フランスとも大きく異なっていた。

 第一章はイギリスが一六〇〇年に設立した東インド会社が、いかにしてインド国内での支配を確立させていくかを描いている。当初からイギリスは、住民との摩擦を避け、現地に協力者を見出(みいだ)し、間接統治をできるだけ利用しようとした。国内征服にもインド人傭兵(ようへい)が多用され、それはやがて大英帝国の大きな力となるインド軍へと育っていく。小さな島国が世界を支配するには、最小限のコストで最大限のリターンを…

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