<滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>
「このご時世、次はここしかありません!」。お墓博士の長江曜子・聖徳大学教授と行く墓めぐりは6回目。先生は、これだけ新型コロナウイルスに悩まされている時期だから「細菌学の祖」といわれる北里柴三郎(1853~1931)の、青山霊園(東京都港区)にある墓に行くという。ウイルスと細菌は違うものだが、「見えない恐怖」という点では変わりはない。
明治7(1874)年にできた東京都立霊園は、六本木からもほど近い。サクラの名所でもあるが、今年は外出自粛のせいで少し寂しい。まずは敷地内をうろうろ。質素な乃木希典大将の墓や威容を誇る明治維新の元勲、大久保利通の墓を巡った。長江先生はいろいろ説明してくれるのだが、マスク越しの声は聞きづらい。
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