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アートの地平から

不確実さと向き合う=住友文彦

博物館の定義の見直しに関する円卓会議で、活発に意見を交わす参加者ら=京都市左京区の国立京都国際会館で2019年9月3日午後3時14分、花澤茂人撮影

 未(いま)だ出口を見いだせない疫病の広がりに、各国が芸術支援策を打ち出している。ドイツは約90兆円にあたる財政出動のうち6兆円を芸術文化支援に充て、文化相が力強いメッセージを出したことが反響を呼んだ。日本国内の芸術関係者はもはや天を仰ぐしかないが、危機によって社会における芸術の役割が炙(あぶ)り出されるのは事実だ。商業画廊は早々とオンライン販売に切り替えたが、個人事業主が多い芸術関係者の経済的困難はどうなるのか。あるいは、芸術祭や、大きな美術館が志向してきた経験経済型の観光や体験の傾向にどんな影響があるのか、など気になる点は少なくない。

 足下の現実に眼(め)を向けると、感染を防ぐ隔離策が近年の排外主義を助長する恐れを感じる。ホームレスや外国籍の人たちをはじめ社会的弱者は医療・経済支援の外側に置かれかねない。不安や恐れとそれが引き起こす差別や偏見は、病気そのものと同じくらい深刻な問題だ。法と心理の両面で選別や排除が進展する懸念がある。病気に対して医療の専門家が対応するように、そうした問題に教育や芸術は大きな役割を果たすのではないだ…

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