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東京へ ともに歩む

毎日新聞

ギリシャから特別輸送機で航空自衛隊松島基地に到着した東京オリンピックの聖火を手にする野村忠宏さん(中央左)と吉田沙保里さん=宮城県東松島市で2020年3月20日、和田大典撮影

Field of View

波乱に満ちた聖火の旅 国内リレー中止 東京開催決定から7年⑬

 東京オリンピックの聖火は3月12日、ギリシャで採火された。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック(世界的な大流行)」と表明した翌日のこと。大会の開催が危ぶまれる中で聖火の旅は始まり、行く先々で波乱が待っていた。

 日本への到着も憂慮された。ギリシャ国内での聖火リレーは沿道に多くの観客が押し寄せ、感染拡大防止のため1日余りで中止に。日本側への聖火引き継ぎ式は新たな日本からの参加を見送り、現地に残っていたスタッフが聖火を日本へ運んだ。

Jヴィレッジで一般公開が始まった東京オリンピックの聖火を見物する家族連れ=福島県で2020年4月2日午前11時19分、和田大典撮影

 聖火を載せた特別輸送機は3月20日、強風の影響で予定時刻を約1時間半早めて宮城県に到着。大会組織委員会の担当者は「これでリレーを始められる。寿命が縮む思いだった」と安堵(あんど)の表情を浮かべたものの、困難は続いた。

 聖火を東日本大震災の被災地で巡回展示する催し「復興の火」が進むにつれ、感染拡大の深刻さは増した。大会の延期が現実的になった23日には、3日後に始まる聖火リレーで走者の参加を取りやめ、ランタンを車に載せて各自治体を巡る案が浮上。24日夜に大会の1年程度の延期が決まると、リレーは中止に追い込まれた。

 仕切り直しとなる来春の聖火リレーはウイルスの終息が大前提だ。聖火は4月2日から7日まで福島県で一般公開されていたが、政府による緊急事態宣言の発令を受け中止に。総務省からは全国各地での展示案も持ち上がっている。多くの人に迎えられる希望のあかりとするためにも、「旅」はしばらく一休みでいいのではないだろうか。【村上正】

村上正

毎日新聞東京本社運動部。1984年、神戸市生まれ。2007年入社。舞鶴支局、神戸支局を経て、大阪本社社会部では大阪府警を担当。17年4月から現職。競技は水泳やサーフィンを担当。東京パラリンピックでは取材班キャップ。16年リオデジャネイロ五輪を取材した感動から、長女に「リオ」と命名した。