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犬飼山轉法輪寺 大師伝説を訪ねて /和歌山

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楼門をくぐると、境内の桜が満開だった=奈良県五條市犬飼で
楼門をくぐると、境内の桜が満開だった=奈良県五條市犬飼で

 橋本市の東隣に、奈良県五條市がある。古くは宇智郡(うちのこおり)と呼ばれ、金剛山の東の裾野は、万葉人の狩猟場として知られたという。歌枕の「宇智の大野」である。

 犬飼(いぬかい)という町名と、犬飼山という山号が残るけれども、犬を使って狩猟する人のことで、これが証かもしれない。

 犬飼山の号を冠しているのが轉法輪寺(てんぽうりんじ)で、寺の縁起によると、弘法大師が草創の土地を探して旅をしたとき、猟師と出会ったのがこの付近らしい。赤ら顔の大男で、黒白2匹の犬を連れていたという。

 猟師の放った犬に導かれて、大師は山上で山の王にまみえ、応分の土地を譲り受ける。山の王とは丹生(にう)明神(丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ))のことで、出会った猟師は狩場(かりば)明神(高野御子大神(たかのみこのおおかみ))。大師は涙を流して喜び、猟師(狩場明神)と出会ったこの場所に轉法輪寺を建てたという。境内にはこうした神々の朱塗りの社が鎮まっており、神仏習合の「理想の仏閣」として今に伝わ…

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