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社説

コロナと情報発信 政治責任果たしていない

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出され、政府や地方自治体はさまざまな形で国民に自粛を求めている。

 国民はこの要請に納得して応じることができるかどうか。当然、そこに不可欠なのは政治リーダーの説得力を持った言葉と、きちんとした情報の発信だ。

 政治はその責任を果たしているだろうか。

 安倍晋三首相は宣言が発令された7都府県を対象に、通勤者を最低7割減らすよう新たに要請した。同時に繁華街での接客を伴う飲食店の利用自粛要請を全国に広げる考えを表明した。

 今のままでは首相が求めた「最低7割、極力8割」の接触削減が難しいと判断したのだろう。だが8割削減については自民党の二階俊博幹事長が早々と「できるわけない」と言い放つ始末だ。

 実際、仕事を休みたくても休めない人は多い。飲食店などに休業を求めるためには何らかの手当てが必要だとの声も強まっている。ところが首相が早い段階で休業補償を拒否してしまい、政府は身動きが取れない状況になっている。

 コロナ対策担当の西村康稔経済再生担当相は休業要請は「必要最小限に」と言う。今の特別措置法の限界を理由にしているが、これも補償をしたくない事情の方が先にあるように思える。

 首相らは現実が見えていないのではないか。それを象徴したのが、首相が自宅とみられる部屋で犬とくつろいでいる動画の公開だ。

 主に若者に対して外出自粛を呼びかけようとしたのだろうが、今、生活に困窮している人々にはどう映ったろう。官邸と国民意識との大きな落差を見せつけた。

 そもそも首相は今回、感染拡大が抑えられなかった場合でも「私が責任を取ればいいというものではない」と語っている。これでは国民に危機感は伝わらない。

 情報公開も十分ではない。PCR検査の件数がなぜ大幅に増えないのか。いまだに政府はその理由を詳細に説明していない。それが「情報を隠しているのでは」という疑念につながっている。

 菅義偉官房長官は日々の記者会見の回数を減らすよう求めているという。そうした姿勢がかえって不信を呼ぶことになる。

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