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余録

日本初の本格的政党内閣を率いた…

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 日本初の本格的政党内閣を率いた原敬(はら・たかし)は、首相就任1カ月もしないうちに、世界的に流行したスペイン風邪にかかった。1918(大正7)年10月26日の日記は記す。「夜に入り熱度三十八度五分に上る」▲ただ29日に「風邪は近来各地に伝播(でんぱ)せし流行感冒(俗に西班牙(スペイン)風と云(い)う)なりしが、二日間ばかりにて下熱」とあり、その日に閣議や夕食会に出たから元気なものだ。しかし、こちらの首相は「生きるか死ぬか」の体験をしたという▲新型コロナウイルスの感染により、一時は集中治療室に入ったジョンソン英首相が退院した。まず、語ったのは医療従事者個々の名を挙げての熱い感謝の言葉であった。危険に身をさらして職務を果たした人々の中には清掃員もいる▲医療崩壊の過酷な現場で、命をかけて職務に誠実を尽くす医療従事者への感謝の一斉拍手や、ネットでの応援が続く世界である。感染した医療従事者は世界で2万2000人以上、イタリアだけでも医師の死者が100人を上回った▲だが一方、感染を広げるからと医療従事者が迫害されるニュースも一部の国々から聞こえてくる。そして日本でも感染のあった病院の職員、その家族への差別や中傷が繰り返し報じられるのはどうしたことだろう。なんとも情けない▲コロナ禍でベストセラーとなったカミュの小説「ペスト」に「ペストと戦う唯一の方法は誠実さです」の言葉がある。今、職務に全力を注ぐ医療従事者が人々に求めるのは自らの感染を防ぐ努力の誠実さだろう。

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