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社説

緊急事態宣言1週間 命救う「8割減」には遠い

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 危機的状況にある医療の崩壊を防ぐため、人と人との接触を最大限減らし、感染拡大を確実に抑える。新型コロナウイルス対策強化のために政府が打ち出した緊急事態宣言の最大の目的だ。

 しかし、この1週間の状況を見ると、外出自粛などの行動変化も、そのための社会的支援も、残念ながら不十分だ。行動を極力制限している人がいる一方、出勤や外出をせざるを得ない人がいる。自分はまだ大丈夫と思う人もいる。

 医療や検査体制も逼迫(ひっぱく)し、すでに一部の医療機関は限界を超えている。院内感染も深刻だ。

 医療崩壊は感染爆発より前に起きる。このままでは新型コロナの患者だけでなく、心臓病でも脳卒中でも交通事故でも、緊急の医療が必要な命が救えなくなる。誰にとってもひとごとではない。

 政府に助言している専門家は、人との接触を社会全体で8割減らせば2週間程度で感染者数が減少に転じ、約1カ月でその効果が確認できると分析する。7割減では効果がわかるまでに2カ月弱、65%減だと約3カ月かかる。6割減では日々の感染者は減らない。

 安倍晋三首相は「最低でも7割、極力8割」と言ったが、改めて8割削減の必要性を強く呼びかけるべきだ。人々の行動変化を促すべき政治リーダーたちは危機感を持って具体的に訴えてほしい。

 可能な限り家にいる。通常10人に会う機会がある人は2人以下に減らす。必需品の買い物も回数を必要最小限に絞る。

 通勤者の減少は8割削減に遠く、テレワークの導入もさらに後押ししなくてはならない。

 休業要請や補償などの対策を小出しにするほど、収束までの期間が長引き、死亡者が増える。今は経済より命を考える時で、短期間で思い切った行動削減をすることが必要だ。

 無症状や軽症でも人にうつす場合がある。一人一人が、自分も感染者かもしれないという慎重さで日々の行動を見直してほしい。政府の強制力がなくても、何が感染リスクを高めるか、主体的に判断し、行動したい。

 自分の行動が、ぎりぎりの状況にある医療従事者を支え、誰かの命を救う。今こそ一人一人にその想像力が求められている。

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