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教諭からわいせつ被害 娘が自殺未遂した母親の嘆きと不信感

自殺を図った娘のスマホを握る母。LINEには元教諭とのやり取りが克明に残されていた=大分市内で2020年3月25日午後8時8分、尾形有菜撮影

 「16歳だった娘の子供っぽい憧れに先生はつけこんだ。娘が意識不明となってしゃべれなくなったから、学校側に都合のいいように話を仕立て上げられてしまった」。教え子の女子生徒(18)にみだらな行為をした元大分県立高校教諭の男性(33)が1月、県青少年健全育成条例違反(淫行=いんこう)で別府簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。被害を受けた女子生徒は事件立件前に自殺未遂をしていたが、元教諭から報告を受けたという校長はあいまいな説明を繰り返し、県教育委員会は元教諭の処分発表時に自殺未遂の事実について伏せていた。母親(45)が毎日新聞の取材に応じ、生徒の自殺未遂という重大な事実に向き合おうとしないように見える学校や県教委への不信感をあらわにした。【尾形有菜】 

 2019年1月17日夕。娘の部屋のドアを開いた瞬間、母親は頭が真っ白になった。娘が自殺を図っていた。命は取り留めたが、今も意識不明の状態のままだ。「どうしてあの子が」。自殺を図った理由が母親には思い当たらなかったが、娘の携帯電話の暗証番号を解いてそれがはっきりした。携帯電話にはLINEの履歴が残され、1年時の担任教諭が繰り返し娘を誘うメッセージが残っていた。

 <おはよ~!今日、おれの家に泊まれる?>。メッセージなどから、元教諭は18年10月以降、女子生徒とホテルなどで複数回にわたってみだらな行為をしていた疑いがあることが判明。元教諭は学校内でも女子生徒を誘い、引率として同行した修学旅行先でも部屋に連れ込もうとしていた。<あとでおいで、寝る前とか>。自身が自宅でテストの採点をしている夜には、仕事が終わる未明までLINEで女子生徒に起きて付き合わせるようにしていたこともあった。

 元教諭には妻子がおり、LINEのやり取りからは女子生徒が関係に悩んでいた様子がうかがえた。女子生徒は自殺を図る約2カ月前から何度も関係を終わらせたいと元教諭に懇願。しかし、メッセージからは元教諭が女子生徒に執着していたように読み取れた。<おれはずっと、恋人でいたいよ><答えはすぐでないとダメですか?>

 矢も盾もたまらず、母親は元教諭の元を訪ねた。「教師と生徒以上の関係がありました」。元教諭は性的な関係にあった事実を認めたという。だが、後日、元教諭から報告を受けたという校長は、母親に「先生からの話では、生徒の方からキスを要求したそうです。教諭もそれでハグ(抱擁)をしてしまったようです」と言い放ったという。母親が驚いて問いただすと、校長は「それ以上は知りません」などと繰り返すだけだったという。

 元教諭が学校にうそをついたのか、学校側がうその説明をしたのか。母親には分からない。だが、生徒の自殺未遂という重大な事案に対する学校全体の無責任さに、母親は娘の存在を踏みにじられた気がした。「娘が意識不明でしゃべれもしないから、都合のいいように話を仕立て…

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