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「まずやってみる」はできないのか 閉じ込められる子ども、オンライン授業求める親たち

女性が「オンライン授業」実施を求め、学校に提出した資料=本人提供

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、各地で学校の休校が長引いている。その間、多くの子どもたちは狭い自宅に「閉じ込められた」ままだ。少しでも子どもの環境を良くするため、親たちからはインターネットを使った「オンライン授業」を求める声が高まっているが、導入は一部の学校にとどまる。すぐに始められる方法で、「まずやってみる」ことはできないのだろうか。【山内真弓/統合デジタル取材センター】

せめて30分でも 母の切実な願い

 「Zoom(ウェブ会議サービス)を使うと、簡単にオンライン授業ができます。(スマートフォンなど)家庭にある機器で受講が可能」。千葉県在住の自営業女性(38)は4月上旬、オンライン授業を提案する資料を作成し、小学2年の息子が通う小学校と、教育委員会に提出した。

 女性の息子が通う学校が休校に入ったのは3月2日。緊急事態宣言後は、学童利用も自粛し、ほとんど家にいる。先生が自宅のポストに入れてくれた宿題や、ゲーム、工作などをして過ごしており「友達と会いたい」と言っているという。「せめて毎日30分でも先生や友達と交流できる時間があれば。まずは、勉強の進み具合を確認するオンラインのホームルームを開いてほしい」というのが母としての願いだ。女性は仕事でオンライン会議をよく開いており、「『難しい』と思っているとしたら『できるよ』と伝えたかった。機材はスマホでもできるんです」と訴える。

 これに対し、自治体の腰は重い。女性の要望に対し、学校側は「検討中」と答えたという。

 壁になっているのは全家庭にオンライン教育環境を確保するための費用やノウハウの不足だ。千葉県内のある自治体の教育委員会担当者は、タブレット端末などを各家庭で使えるよう配備するにはお金や手間もかかることなどから、「検討しているが、国からのプラスアルファの支援が欲しい」と急な対応に難しさをにじませる。全国でもオンライン授業を導入している自治体は少数派で、文部科学省の昨年3月時点の調査では、1815自治体のうち「遠隔教育を一校も実施していない」との答えは78%にのぼり、「実施する予定はない」との回答も72.5%に達した。

熊本市はトップ判断で開始

 だが、外部との交流が絶たれた子どもたちや、それを心配する親たちが求めているのは、「完璧なオンライン授業」ではない。3児の母で、フェミナス産業医事務所(東京)代表を務める石井りな医師は「できるだけ早く、オンラインでの学びの提供方法を真剣に考えてほしい。試行錯誤でもいいから、試験的に始めてみることが必要だ」と話す。休校が長引くほど、「子どもたちの学びの機会や、友達や先生たちとのつながりの機会が喪失してし…

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山内真弓

2007年入社。水戸支局などを経て、東日本大震災後の仙台支局へ。2020年春から東京・統合デジタル取材センター。記者として心掛けているのは、見えにくい日常を描くこと。2児の母で、保活(保育園探し)を6回して疲れ果てたため、地域の子育て環境に関心がある。

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