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「休業補償している」厚労省ツイートは本当か 反論投稿繰り返す理由とは

ヤフーニュースの休業補償に関する報道を「正確でない」とする厚生労働省の公式ツイッター

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の対応に関し、インターネットのニュースサイトが「補償なき休業要請」などと報じるのは正確ではないとして、厚生労働省が公式ツイッターで支援策を紹介する「反論」を投稿した。これに対し、SNS上では「必要な人に届いていないからないのと同じ」などと批判の声が上がった。厚労省は以前も新型コロナに関する報道に対して反論の投稿をし、一部に間違いがあることも判明。なぜこうした投稿を繰り返すのだろうか。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

 厚労省は今月12日、公式アカウントのツイッターでこのような投稿をした。

 「ヤフーニュースなど、インターネットニュースサイトで、『補償なき休業要請』との報道があり、外出自粛や出勤者の最低7割減は、休業補償がないと不可能だと報じられていますが、正確ではありません。正しくは以下のとおりです」

 これに続き、事業主が労働者に払う休業手当を助成する雇用調整助成金の制度があると説明。新型コロナ対策として助成率を引き上げたこと、対象をパートやアルバイトなどの非正規労働者や入社6カ月未満の新入社員にも拡大したとし、「事業主の負担が大幅に軽減されます」と強調した。さらに融資制度の紹介や、中小企業に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円を支給する給付金を準備しているとした上で、「政府は、事業者の資金事情を支えるための助成を実施しており、事業者がこれを活用して、従業員に休業補償を十分にできるような雇用調整助成金の特例制度も始まっています。是非ご活用ください」と再度、雇用調整助成金に触れて締めくくった。

 まず、厚労省のホームページによると、雇用調整助成金制度が拡充されてきたことは事実だ。助成金は既存の制度だが、新型コロナの影響を踏まえて2月14日以降、随時要件を緩和する特例措置を公表している。4月10日までに、同月1日~6月30日の期間は休業手当に対する助成率を最大で90%まで上げ、雇用保険に加入していない週20時間未満のパートやアルバイトも対象に加え、記載項目を半減させるなど申請手続きも簡素化すると発表した。経済産業省のホームページでも、事業者への新たな支援策として売り上げが大幅に減少した中小企業などに支給する「持続化給付金」が紹介されている。

 次に、この助成金の制度が厚労省が言う通り「従業員に休業補償を十分にできる」ものなのかどうかだ。これについて、労働相談に乗っているNPO法人「POSSE」の渡辺寛人事務局長は「十分とは言えない」と指摘する。POSSEには2月末から4月12日までで新型コロナの影響に関する労働相談が764件寄せられ、そのうち半数以上が「休業手当がもらえない」など休業中の補償についてだった。

 なぜ制度があるのにもらえないのか。助成金は事業者が申請する仕組みだが、相談者から聞き取った事業…

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牧野宏美

2001年入社。広島支局、大阪社会部、東京社会部などを経て19年5月から統合デジタル取材センター。広島では平和報道、社会部では経済事件や裁判などを担当した。障害者や貧困の問題にも関心がある。温泉とミニシアター系の映画が好き。

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