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15歳のニュース Interview 漫画家・板垣巴留さん 人間の怖さや醜さ、動物でオブラートに

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 人気マンガ「BEASTARS(ビースターズ)」(週刊少年チャンピオン連載中(れんさいちゅう))がヤマ場を迎(むか)えている。主人公のハイイロオオカミ・レゴシが、悪行を重ねるヒョウとガゼルのハーフ・メロンとの決闘(けっとう)に臨むのだ。生きることの悩(なや)みや喜びを描(えが)き、中高生をはじめとした多くの読者を魅了(みりょう)してきたこの作品について、作者の板垣巴留(いたがきぱる)さんに思いを聞いた。【上田(うえだ)泰嗣(やすつぐ)、写真も】

 ――キャラクターが動物なのがユニークですが?

 板垣さん 「BEASTARS」は動物もののマンガではなく、人間像を描(えが)きたいと思って始めたヒューマンドラマです。キャラクターが動物になったのは、私が動物好きだったためです。人間を動物の姿や性質で描くことで、人間の持っている怖(こわ)さや醜(みにく)さが、あからさまにならず、オブラートに包むような効果もあったと思います。

 ――弱さや差別、暴力なども描(えが)かれていますね。

 板垣さん 作りもののようなキャラクターは描きたくなかったんです。完璧(かんぺき)な人間なんていないし、レゴシも、(スターとして登場した)アカシカのルイも、過ちを何度も犯します。そういう弱さ、業(ごう)みたいなものを肯定(こうてい)したいという気持ちはあります。今は、小さなミスでもみんなが非難する時代になっていますが、その人と1対1でしゃべったら、そうはならないはず。キャラクターたちと1対1で対話している気持ちで読んでほしい。

 ――影響(えいきょう)を受けたマンガは?

 板垣さん 「あたしンち」は全巻何度も読みました。すごい幸福感に満ちた作品です。また「バガボンド」のように実感が伴(ともな)うマンガが好きです。主人公の宮本武蔵の内側に起こっていることを、ただただ書き起こして、最終的にそれが物語になっているような気がします。

 ――中高生時代は?

 板垣さん 中学校は校則が厳しく、クラスメートの性格も曲がってしまって、友達はいませんでした。学校が終わったら一人で映画を見に行ってました。印象的なシーンをスケッチした大学ノートは、3年間で10冊になりました。美術科に進んだ高校では、校則が緩(ゆる)くなって、友達と遊んでました。

 ――そのころからマンガ家をめざしたのですか。

 板垣さん 大学では映像学科に行きました。でも適性がないことが分かりました。人をまとめる力や機材の知識などが必要で、自分には向いてないと。マンガ家のように一人でやる仕事が向いていました。

 ――昨年の第1期に続き、来年はアニメの第2期が始まります。舞台化(ぶたいか)の計画もありましたが、他にやってみたいコラボレーションはありますか。

 板垣さん レゴシが体験しているような異種の動物同士の恋愛(れんあい)シミュレーションゲームなどができたらおもしろいなと思っています。

 ――読者へメッセージを。

 板垣さん つらいことも多いと思うけど、大人になって自分のお金で生活するのは、すごく楽しいことです。社会に出るのを楽しみにしてがんばってください。


 ■KeyWord

 【「BEASTARS」】

 擬人(ぎじん)化された動物たちによる青春ヒューマンストーリー。肉食が禁じられ、肉食獣(じゅう)と草食獣が共存する世界が舞台(ぶたい)で、オオカミのレゴシが肉食の欲求を乗(の)り越(こ)えようと悪戦苦闘(あくせんくとう)する姿を、時にシリアス、時にユーモラスに描(えが)く。他にも凄絶(せいぜつ)な過去や複雑な思いを持ったキャラクターが多く登場。本能と倫理(りんり)の間での葛藤(かっとう)、種族間の差別、暴力など、現代社会の問題を正面から捉(とら)え、2018年マンガ大賞、第42回講談社漫画賞(こうだんしゃまんがしょう)(少年部門)、第22回手塚治虫(てづかおさむ)文化賞などを受賞。週刊少年チャンピオン(秋田書店)連載中(れんさいちゅう)。

 【「あたしンち」】

 けらえいこさん作のマンガ。読売新聞日曜版に1994~2012年、17年にわたって連載(れんさい)された。マイペースで個性的な母を中心とした4人家族の日常をユーモラスに描(えが)いた。

 【「バガボンド」】

 吉川英治(よしかわえいじ)の小説「宮本(みやもと)武蔵(むさし)」を原作にした井上雄彦(いのうえたけひこ)さんの作品。日本一の剣豪(けんごう)をめざす宮本武蔵の戦いを描(えが)く。1998年から「モーニング」(講談社)で連載。講談社漫画賞、文化庁メディア芸術祭大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。

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