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コロナショックの現場から

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、さまざまな現場で多くの人が苦闘しています。非常事態の中で苦しみに直面する人、戸惑いながら工夫して生き抜こうとする人……。インタビュー形式でお伝えします。

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コロナショックの現場から

外出自粛で宅配サービス大忙し 東都生協「注文多過ぎて異常事態です」 

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商品を入れるコンテナをトラックに積み込む吉澤さん=東京都世田谷区の東都生協世田谷センターで2020年4月9日午前10時9分、大迫麻記子撮影
商品を入れるコンテナをトラックに積み込む吉澤さん=東京都世田谷区の東都生協世田谷センターで2020年4月9日午前10時9分、大迫麻記子撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府が外出の自粛を要請する中で、家庭に商品を届ける宅配サービスの業務が急増している。食品や日用品を組合員に届ける東都生活協同組合(東京都世田谷区)商品部部長補佐の吉澤正義さん(55)は、「綱渡りの運営だが、必要な人に必要なものが届くよう最善を尽くす」と話す。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

 ――一斉休校や外出の自粛要請で、宅配にどんな影響が出ていますか?

 ◆注文が多すぎて異常事態と言うべき状況です。この時期に1日当たりに届ける青果物は、昨年が5.8万個でしたが、今年は8万個と1.4倍になっています。冷凍品、冷蔵品も1.2~1.3倍に増えました。特に注文が多いトイレットペーパーは昨年比で3倍、お米は1.7倍です。休校の影響で具付きラーメンのような子供でも作れそうな商品や、保存がきくスパゲティ、うどん、そばなどの乾麺、レトルトのごはん、シリアルなどの注文も増えています。

 加入希望者も殺到していて、7日に緊急事態宣言が出る直前は電話が鳴りっぱなし。ウェブでの問合せも土日(4、5日)だけで400件ありました。約7000世帯に配達している世田谷センターだけでも、配達先が一気に500世帯ほど増えました。

 東日本大震災や台風、大雪で運べないなど、これまでもいろいろな苦境がありました。しかし、今回はいつ終息するのか先が見えない。リモート出勤するわけにもいかない中、総出でやっても人が足りず、一人の職員も欠けるわけにはいかない。緊張で落ち着かない日々です。

 ――それほど急激な注文の増加に、対応は可能なのでしょうか。

 ◆届け先数や1人あたりの注文量が増えることで、トラック内での作業効率が悪化し、配達員の1日あたりの作業時間が1~2時間、長くなっています。3月中旬からは、1回では荷物を積みきれずにトラックが1日に2回出ることも。残業して頑張っていても配達時間が遅れることがあり、利用者から「どうなっているのか」と問い合わせを受けることも出てきました。

 帰宅時間が遅くなるなど職員の負担が重くなっており、離脱してしまわないかが心配です。何とか配達に支障をきたさないよう、取扱商品数を絞って作業を効率化し、組合員のニーズに応えつつも労働環境の悪化を防いでいく計画です。

 ――人手不足や作業時間の長期化以外にも問題は起きていますか?

 ◆深刻なのは、商品を入れるためのコンテナと、それを運…

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