毎日新聞
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新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、政府は出勤者を最低でも7割減らすよう求めている。だが、実現には遠い。企業はテレワークなどの対策を徹底しなければならない。
ウェブ会議や多人数による対話のソフトなど、取り組むための選択肢は多い。情報管理などの課題はあるが、今は感染リスクを下げることを優先し、短期間のうちに行動を起こすべきだ。
押印など日本独特の商習慣の見直しは当然だ。ネットで決裁できるサービスも利用できる。請求書や領収書なども電子化は可能だ。仕事は紙の文書でするという意識を変える必要がある。
企業間の契約も、暗号を使った電子署名などの仕組みを利用すれば、出社したり、対面で書類を交わしたりしなくて済む。こうした取り組みは大企業を中心に広がりつつある。導入していない取引先にも呼びかけてほしい。
課題は、中小企業にどこまで広げられるかだ。都内では、働く人の約4割が中小企業に勤めているが、テレワークの導入率は3割に満たない。
「適した仕事がない」「体制が整っていない」などの理由で敬遠する企業は多いが、従業員の感染防止は、企業にとって最優先の課題だ。経営者は対策を急がなければならない。自宅の通信環境が不十分な従業員への助成も進めるべきだ。
政府は、中小企業がコロナ対策でテレワークを導入する際の費用を助成する制度を設けた。専門家による無料相談も実施しているが、もう一歩進めて、商工団体などが目標を定めて導入を促すといった対策も必要となろう。
製造現場や物流などの部門では実施に限界もあるが、出勤時間をずらすなど、できる限りの工夫が求められる。
中小に比べて体制が整った大企業の責務はより重い。正社員だけでなく、契約で事業所での勤務を定めた派遣社員らについてもテレワークを認めるなど、対策に漏れがないか点検してほしい。
在宅で働ける環境が整い、職場の意識が変われば、子育てや介護で出社しにくい人材を活用する可能性も広がる。今後の働き方や業務の見直しにもつながるだろう。
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