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余録

「アマビエ」という名の妖怪が出没している…

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 「アマビエ」という名の妖怪が出没している。コロナ禍と足並みをそろえるようにその頻度は増え、この妖怪をかたどったグッズや和菓子も登場した。ちょっとしたブームと言っていい▲古くは弘化3(1846)年4月の瓦版に登場する。長髪にくちばし、胴はうろこに覆われた生き物が肥後国(熊本県)の海に現れた。添えられた挿絵は、ゆるキャラを思わせどこか愛らしい▲妖怪研究家の湯本豪一(こういち)さんによれば、アマビエは妖怪というより人魚やカッパのような「幻獣」の一種。中でも予言を残す予言獣に分類されるという。アマビエの場合は豊作・凶作と疫病。江戸の人々は、疫病が流行するたび、この絵を門口に張った▲ウイルスはおろか感染症のメカニズムも知らない当時の人々にとって、疫病は人知を超えた制御不能な出来事だ。「私の絵を張れば鎮まる」とのお告げは、さぞ頼もしかったことだろう▲湯本さんにこの名の由来を聞くと「正しくはアマビエではなくアマビコ。瓦版の筆者が片仮名を写し間違ったのでは」という。なるほど、他の文献は「尼彦」「阿磨比古」などと表記しているものが多い。語源は天の声を意味する「天響(あまびこ)」というのが湯本説だ▲コロナ禍の先行きは皆目見えない。自身が感染するかどうかも含めて不安だらけ、という心理は令和の世も変わらない。疫病封じに起源を持つ各地の祭りも「3密」回避のため挙行が危ぶまれる昨今、鬱屈を晴らすには当分、アマビエに頼るほかなさそうだ。

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