メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

コロナと国連の役割 途上国の支援に指導力を

[PR]

 先進国が新型コロナウイルス対策に追われる中、アフリカなど途上国で感染拡大が止まらない。

 アフリカ54カ国中、初めてエジプトで感染が確認されたのは2月14日だ。3月末に感染者は5287人、死者172人になり、今月13日にはそれぞれ1万5365人、834人に増えた。

 2週間で感染者が3倍弱の勢いだ。感染爆発の瀬戸際にあるといえる。

 アフリカで感染や犠牲が拡大する要因は多い。安全な水で手洗いができるのは人口の25%程度にとどまる。医療設備も不十分だ。インターネット環境が悪いため、人と人との距離を取るのも難しい。

 途上国で感染を止めるには国際社会の支援が必要だ。国連のグテレス事務総長は加盟国に支援金拠出や紛争停止を求め、世界保健機関(WHO)も対応している。

 ただ、米中をはじめとした大国に国連を支援する意思が感じられない。新型コロナに関する安全保障理事会の会合では、ウイルスの呼称などを巡り両国が対立し、一致した行動を打ち出せなかった。

 安保理は過去、エイズウイルス(HIV)やエボラ出血熱といった感染症で、流行抑止の行動を求める決議を採択している。今回、足並みが乱れたのは自国第一主義がはびこる影響だろう。

 アフリカの人口は約12億人で欧州連合(EU)の約2・7倍である。世界への影響は小さくない。

 国連開発計画の試算では、アフリカで感染が拡大すると、犠牲者が増えるだけでなく雇用の半数と2200億ドル(約24兆円)以上の収入が失われる。政治的に不安定な国は紛争・テロの温床になる。

 先進国で感染を封じ込められても、途上国で収束しない限り、ウイルスは再び先進国を攻撃する可能性がある。途上国での感染拡大を、先進国は自らの危機と認識しなければならない。

 中国は独自にアフリカを支援しているが、欧米からみると、こうした動きは危機に乗じた覇権拡大と映る。中国は国連を通じた支援に重点をおく必要がある。

 国連は今年、創設75年になる。第二次大戦以来の危機が叫ばれる今、大国や先進国の協力を取り付け、途上国での新型コロナまん延阻止に責任を果たすべきだ。

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 東日本大震災 大阪と被災地、続く交流 学校や伝承施設訪問 堺工科高定時制生徒ら /岩手

  2. 一緒に飲み明かした女性に「家に送って」と誘われ…男性を陥れた巧妙手口とは

  3. 社会から「消された存在」だった 18年軟禁された女性、自立探る今

  4. 学術会議任命拒否 「100%デマですやん」 ある日ウィキペディアに自分の名前が載ってしまったら…

  5. 「山を一つ動かしたかな」桜を見る会問題追及、田村智子参院議員に聞く

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです